シン・国産時計【セイコー(SEIKO)】編 vol.6 ―― 傑作ストップウオッチの機能美をクロノグラフで再現した「プロスペックス スピードタイマー」 日本が誇る4大ウオッチメーカーの重要人物をルポ

 

セイコークロノグラフの伝統=明確な計時表示を継承する

そして新コレクションの主力となる“メカニカルクロノグラフ”は、2つのヒストリカルな時計をヒントに開発することとなった。

(加藤さん)「限定のSBEC007は1964年大会で使われたストップウオッチをモチーフに、SBEC009は同年発表のクラウン クロノグラフにインスパイアされたデザインを採用しています」

(木村さん)「ベースとなる時計の研究を通し、当時も実用性を重視していたことの理解を深めました。その設計思想を継承する現代のクロノグラフシリーズが完成したのです」



1964年製ストップウオッチ(写真上)の特徴である、純白の文字盤に黒の目盛りと針を備える視認性の高いデザインを踏襲。数字、サークル、ドット、針など、当時のスタイルを生かしながら腕時計向けにコンバートしている

 

その名称は、伝説的なクロノグラフから命名された。

(加藤さん)「1969年に生まれたスピードタイマーは、セイコークロノグラフのルーツと言えるシンボルです。当時から垂直クラッチやコラムホイールを備えており、計測機能にこだわっていることがわかります。その革新性に再びスポットを当てつつ、モダンな要素を融合したのが新生スピードタイマーなのです」

(木村さん)「ストップウオッチを単純に縮小するのではなく、腕時計サイズでもしっかりタイム計測機能が使えて、判読できることを意識しました。またケースは存在感と高級感を両立し、コマとコマの間のピッチが狭い堅牢なブレスレットと組み合わせて比重バランスを最適化し、優れた装着感を実現する仕様になっています」


プッシャーとリューズもストップウオッチの形状と実用性を研究し、創出された。ボタンを押した感触も近い。直径42.5mm、厚さ15.1mmのラウンドケースはどことなく懐中時計に似たスタイルである

 

国産初の腕時計を生み出したセイコーは、クロノグラフにおいても“革命”を起こしてきた。その栄光の歴史に捧げる新生スピードタイマーの限定版を、今なら手に入れることができるのだ。

セイコー「プロスペックス スピードタイマー メカニカル クロノグラフ 限定モデル」Ref.SBEC007 35万2000円

1969年発表の傑作クロノグラフの系譜を継ぐ、プロスペックスに生まれた新コレクション。1964年の東京五輪で使用された懐中時計型ストップウオッチに範を取った意匠に、垂直クラッチとコラムホイールを備える自動巻きムーブメント「キャリバー8R46」を搭載する。

スペック:自動巻き(自社製Cal.8R46)、毎時2万8800振動、約45時間パワーリザーブ、日差+25秒~-15秒。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット(交換用カーフストラップが付属)、デュアルカーブサファイア風防(内面無反射コーティング)。直径42.5mm(厚さ15.1mm)。10気圧防水。世界限定1000本。

 

問い合わせ先:セイコーウオッチお客様相談室 TEL.0120-061-012 https://www.seikowatches.com/jp-ja/

Text/WATCHNAVI編集部 Photo/谷口岳史

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