時間は誰にでも平等。だからこそ1日24時間、その限られた時間をどう使うかが「人生を楽しむ」ための鍵となります。様々な業界で活躍する人物から「時間術」を聞く本連載。第23回はファッションスタイリストとしてキャリアをスタートし、現在はファッションビジネス全般のアドバイザーとして活躍するJR MARQUES(ジュニア マーカス)さんにお話を聞きました。
Photos:高橋敬大 Text:赤坂匡介
ファッションスタイリストとしてキャリアをスタートしたJR MARQUESさん。2010年に、ファッションブランド「ガルシアマルケス/クリスタルボール」の外部マーケティングディレクター就任後、多数のブランドアドバイザーを歴任してきました。
さらに多数のファッションブランドのレセプションのプロデュース・ディレクションも担当。他にもキャラクターとファッションブランドのコラボレーションを数多く実現するなど、その活動は多岐に渡ります。また2014年には、SNSをベースとした読者モデルのクリエティブプロデュースを行う『一般社団法人 日本読モ協会』を設立。理事長も務めています。そんなJR MARQUESさんに、日々どんな時間の使い方をしているのか聞いてみると、そこには「人と会うことを常に意識する」というJR MARQUES流の時間術がありました。
――ファッションを軸にさまざまな活動をされているJR MARQUESSさん。日々、どんなことを意識して時間を使っていますか?
日課のようなものはないんですが、「人と会うこと」は常に意識しています。僕の仕事は、ファッションビジネス全般のアドバイザーや、レセプションのディレクション、商品開発のサポートが中心で、どれも人とのつながりや、コミュニケーションが重要になるからです。
人と人をつなぐこともよくありますし、僕にとって“人脈は財産”なんです。読書をしたり、映画を鑑賞して刺激を受けることもあると思いますが、僕は人と会い、そこで得る刺激がいちばん好きですね。特に先輩から聞く話は面白い。ずっと聞いていられます。
――ちなみに、座右の銘のようなものはありますか?
あります。「ピンチはチャンスじゃない。ただのピンチだ」。これも先輩が話していたことなんですが、まったくその通りだと思います。ピンチをチャンスと捉えるポジティブさよりも、まずは目の前にある課題を、どう解決するかがやっぱり重要じゃないですか。それに、ポジティブシンキングだけでどうにかなるピンチって、そんなに多くないと思うんですよね(笑)。
――いちばん好きな時間は、何をしているときですか?
人と会っている時間と、仕事をしている時間は好きですね。僕の人生のテーマは「ノーストレス」なんです。だから極力、会いたくない人には会いませんし、できるだけ好きなことだけするようにしています。
そのためにも「苦手なことは誰かにお願いする」ということを徹底しています。頼られて嫌な気分になる人はいませんし、困ったときは素直に“困った”と言えばいいと思っています。
また仕事においては、効率よりも「向き不向き」を重視しています。自分が得意ではない作業に時間を割くことは、それこそ非効率だと思うんですよね。僕にとっては、事務作業がそれにあたります、すごく苦手です(苦笑)。
――2014年からは『一般社団法人日本読モ協会』の理事長も務めています。この団体におけるJR MARQUESSさん仕事とは?
この団体は、グラフィックデザインの企画制作会社の社長であり、お世話になっている先輩が考案したもので、僕は誘われる形で本企画にジョインしました。現在のメイン事業は読者モデルの活動支援です。企業からの依頼内容に合った読者モデルをアサインし、ときに企画段階から一緒に作り上げています。
理事長に就任することになったのも「人と会う」ことを意識してきた結果だと思いますし、こうした機会があるたびに、「人とつながること」の大切さを再確認します。
愛用しているのは、DAITAI時計とG-SHOCK。
――今日お持ちいただいた時計について教えてください。
ひとつは、所ジョージさんがプロデュースした「DAITAI(だいたい)時計」です。宝くじを買うのが趣味なんですが、ふらっと立ち寄った宝くじ売り場に応募用紙が置いてあったので、応募してみたら当選しました(笑)。
時間の表示が、名前通り“だいたい”で「ちょうど、前半、半頃、前後」の4つしかないんです。この時計を着けていると、少しくらいの遅刻は「時計のせいにして」見逃してもらえるところが気に入っています(笑)。とってもユニークですし、縦長のフェイスもインパクトがありますよね。何より僕のゆるいキャラクターとすごくマッチしている気がします。
もうひとつはG-SHOCKです。高校時代に「G-SHOCKブーム」があったこともあり、いつかはほしいなと思っていました。偶然、大人になってからG-SHOCK関係の仕事をする機会に恵まれ、その流れでいただいたのが、この時計です。僕にとっては「憧れのG-SHOCK」ですから、すごくうれしかったですね。
――JR MARQUESSさんにとって時計とは?
僕にとってはファッションアイテムであり、コミュニケーションアイテムでもあります。DAITAI時計もG-SHOCKの時計も、初めて会う方との会話のネタになることが非常に多いんです。
DAITAI時計は「何それ?」から会話が生まれますし、G-SHOCKは「実は僕も持っていた」なんて話になることがよくあります。これはきっと、時計あるあるだと思います。人と会う機会の多い人こそ、時計は着けておくとさまざまな形で役に立つのではないでしょうか。
――最後に、JR MARQUESSさんの夢を教えてください。
僕は少年時代から今日までずっと、「無駄」を追求し続けているような気がします。いま僕が手掛けている仕事の多くも“必要な無駄”を大切にしていますし、「無駄の有用性」を発信することが、僕の信念でもあります。
最近では、AIの登場によって、「無駄を排除しよう」という社会の流れもありますが、“無駄が生む余裕=おしゃれ”みたいなことって、あると思うんです。その絶妙な加減はAIには生み出せないと思いますし、これからも誰に何を言われようとも“無駄”を大切にしていきたいです。あと、プロレスが好きなので、プロレス関連の仕事がしたいですね。オファー、お待ちしてます(笑)。
- TAG