【IBEゼミ/最終講】2008-2018 6年ぶりのバーゼルワールド復帰。 原点を振り返りつつ、果敢に世界へ挑戦

今回が最終講で少し寂しい、伊部先生とIBEゼミ講師・スピード五郎

デジタルで培った技術力を世界のアナログ市場で発揮

こんにちは! IBEゼミ講師ナンバー「5600」のスピード五郎です。今回はいよいよ最終回です。

そもそもカシオの得意分野はデジタルですが、時計市場の規模は圧倒的にアナログのほうが大きい。その点、バーゼルワールドは、やはり“アナログ”の見本市です。2008年、6年ぶりのバーゼル復帰は“アナログ”への勝負に出たことを意味する、と考察しますが、伊部先生、いかがでしょう?

「それで正しいと思います。言い方を変えれば、得意のデジタル分野で培った強みを、アナログ市場で発揮する自信がついた、ということ。その試金石として発表したのが、欧州への初出展となるMR-G、MRG-8000。歴代MR-Gでも桁違いのハイエンドモデルで殴り込みを掛け、極めて高い評価を得ることができました」

こうしてアナログとデジタルの相乗効果を経て、世界的にもG-SHOCKの認知度は上昇しています。2009年からは毎年「SHOCK THE WORLD TOUR」が世界の主要都市で開催され、G-SHOCKを愛するビッグアーティストたちが参加しています。こうした場では“G-SHOCKの伝道師”として活躍している伊部先生ですが、何か面白いエピソード、ありませんか?

「ある日、2歳くらいのお子さんを連れたお母さんが来られていて、“私とこの子がG-SHOCKファンなんです”と私に言いました。なぜ、2歳の子どもがG-SHOCKファンなのか聞き返したところ、“G-SHOCKは丈夫で安全なので、歯固め(おしゃぶり)に最高で、この子も大のお気に入りなんです”と教えてくださり、なんだかとても感動しました(笑)。

また、いろいろな国でG-SHOCKの強さを評価する独自パフォーマンスを行うことがあります。ステージの高い天井からG-SHOCKをどっさり落とすとか。その度に、失敗したらどうしよう、と寿命が縮まるほど不安になります。今のところG-SHOCKは丈夫で全てうまくいっているのですが、私にとっては、とても体に悪いパフォーマンスです(笑)」

最も価値ある素材と、最も壊れやすい素材で製作

2017年11月、ニューヨークのマディソンスクエアガーデンで開催されたSHOCK THE WORLDのステージにも伊部先生がいました。

「私は1983年にG-SHOCKを作り、1996年にフルメタル化しました。2年前には、時計の素材として究極の価値を持つゴールドのG-SHOCKも作ることができました。それが35年目の開発に向け私に重要なヒントをくれたのです。“最も壊れやすい素材でG-SHOCKは作れるのか”。最も壊れやすい素材といえば、ガラス。これが、そのサファイアガラス製G-SHOCKです!」

伊部先生が高々と突き上げた左腕には、赤いルビー色に輝くG-SHOCK! 新開発の“フルガード構造”により、耐衝撃性もクリアしていました。

「G-SHOCKには、たくさんの人たちが関わっています。また、たくさんのファンの方々もいらっしゃいます。その方々の総力で、1億個出荷達成と、35周年を迎えることができました。感謝を込めて、G-SHOCKの非常識な発想の原点に戻り、サファイアガラス製G-SHOCKのように新たな挑戦ができれば、皆でさらなる飛躍を目指せるのでは、と考えたのです。これは同時に、ファンの方々にも喜んでいただけるのではないかと思っています。これからも新たなチャレンジができれば幸せなことですね。

ちなみに私が直接G-SHOCK開発部署に在籍していたことは、実はこれまでほとんどありません。カシオのいいところは、いつでも誰でもチャレンジできる風土です。私もG-SHOCKに新しい風が必要だと思ったときに、自主的な提案で会社の了解をもらい、チャレンジしています。この会社の風土には、本当に感謝しています」

こうして35年を振り返ると、G-SHOCKの歴史は、すなわちカシオ開発陣の“挑戦”の歴史。絶え間なく進化する限り、その魅力が色褪せることはありません。そして今後どんな方向へ進もうと、初代モデル開発時の“壊れない時計”という基本コンセプトは、必ず継承されていくはずです。それが1983年に時計界の常識を覆す革命を起こした、G-SHOCKのアイデンティティそのものだからです。わたくしスピード五郎もG-SHOCKの一ファンとして大いに期待しています。IBEゼミご清聴、ありがとうございました!

G-SHOCK生誕35周年を記念して開催中のグローバルイベント「SHOCK THE WORLD」の第1回。2017年11月、ニューヨークで「G-SHOCK 35th Anniversary World Premier in NY NY SHOCK THE WORLD」が開催されました。

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伊部菊雄
1976年カシオ計算機入社。最初に配属された技術部・外装設計で耐衝撃構造を生み出す。近年は、製品哲学の伝道師として世界中でプレゼンを行う一方、独自企画も手がける