新CEOの就任で変わりゆく名門【2018新作レビュー/ユリス・ナルダン】

新しいCEOが着任したユリス・ナルダンは、2回目の出展となった今年のSIHHでも、同社らしい革新性とユーモアを見せてくれました。

文/鈴木裕之

自動巻き化されたフリーク ビジョン

「フリーク ビジョン」1191万2400円/Ref.2505-250

革新性の最先端にあるモデルが「フリーク ビジョン」です。
これまでも「フリーク」は、新素材や新しい脱進機システムを搭載するショーピースとして機能してきましたが、今年はまったく新しい巻き上げシステムを搭載。自動巻きのフリークへと進化を遂げました。
センターに巨大な香箱を配置するのは手巻きと同様ですが、その外周部分に「グラインダー」と呼ばれるオシレーティングベゼルを配置して、ラチェット式の両方向巻き上げを実現しています。
一般的なローターと異なるのは、グラインダーが大きく回転しなくても、その上部に設けられたシリコン製のビーム(構造物)が、巻き上げの動作を行ってくれること。
ほんの少しのグラインダーの動きでも、そのまま巻き上げ爪に力を伝えることができるため、専門的にはデッドアングル(不動作角)と呼ばれている、“ローターは回っているのに、ゼンマイを巻き上げていない角度”も極めて小さくなっています。

また従来のフリークに盛り込まれてきた、フロントベゼルによる時刻合わせと、バックベゼルによる手巻き機構はそのまま残され、またコンスタントフォース機構を設けているため精度も極めて高くなっています。

 

伝統を受け継ぐエロティックピース

「クラシック ボワヤー フリーク アウト」4074万8400円/Ref.739-61/VDYEUR

一方、同社のユーモアを伝統的な手法で表現したのが、ホット オルロジュリー コレクションから発表された「ミニッツリピーター クラシック ボワヤー」です。
ブースの片隅には、まるでジェントルメンズルームのような“秘密の赤い小部屋”が設けられ、新作はそこに展示されていました。男性のみがこっそりと愉しむ“エロティック オートマタ”というわけです。

 

ふた組の男女が登場するダイアルには、ミニッツリピーターの時、クォーター、分の打鐘に合わせて動く、4つのオートマタ機構が内蔵されています。
まぁ、あまり詳しくオートマタの動きを説明することはできないのですが、リアルな動きに思わず吹き出してしまったほど。
通常ならば、オートマタの動きは3つであるところを、今回は4つに拡大したというあたりに、技術的な矜持を感じることができます。

 

ユニークな造形のプロダイバー

「ダイバー ディープ ダイブ」150万1200円/Ref.3203-500LE-3/93-HAMMER

スポーツウォッチのコレクションでは、1000mの防水性を発揮する「ダイバー ディープ ダイブ」が注目株となりそうです。チタン合金を用いた軽量ケースには、プロ仕様のヘリウムエスケープメントバルブを装備。独特な形状のリュウズプロテクターが、ハンマーヘッドシャークを思わせるキャラクター性を際立たせます。
搭載ムーブメントには、ユリス・ナルダンが得意とするシリシウム製の脱進機が備えられ、精度面でも大きな期待が寄せられます。

 

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ユリス・ナルダン

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