SIHH2017で発表された要注目の新作を紹介します。今回は、HYTとロマン・ジェローム。ユニークなコラボレーションウオッチを手がけた2社の最新作を取り上げます。
日本ツアー真っ最中の時期にスイスで発表された「アクセル・ローズ」限定モデル
HYTといえば、時計の中に封入された液体を用いて時間を表示する、世界初の腕時計を作ることのできるブランド。その特殊表示を発展させ、以前からスカルをモチーフにした時計も作ってきました。
この特殊表示を使った唯一無二のスカルウオッチに目をつけたのが、伝説のロックバンドGuns N’ Rosesのボーカリストであるアクセル・ローズ。最新作は、純粋に「HYTにオリジナルモデルを作って欲しい」という彼からのオファーを受けてブランドが制作したものです。
ダマスカス鋼のような模様のスカルをブルーフィニッシュ。その周囲は、液体を封入したガラス管で縁取られています。ガラス管内部には、決して混じり合うことのない黒と透明の液体が入っており、この境界線で時間を示します。
スカルの目玉は、常時回転するスモールセコンドと、巻上げ残量を示すパワーリザーブ。ちなみにこの時計には、分針はありません。
裏返すと、2重レザーストラップ越しにシースルーバックが登場。ガラス面には、ガンズのシンボルとアクセル・ローズのサインが印字されています。
Guns N’ Rosesといえば、ちょうどSIHHが開催されていた2017年の1月に日本ツアー真っ最中。もしジャパンツアーに行く人がいたら、アクセルの“右手”に注目してください。
エンターテイメントへのオマージュモデル最新作は、マリオの元祖「ドンキーコング」
スーパーマリオといえば、今や全世界で通用するゲームキャラクターといっても過言ではないでしょう。このキャラクターが初めて登場したゲームこそ、ドンキーコングです。
最新作で表現されたのは、まさにマリオが恋人を助けるべく、ドンキーコングが投げる樽や、途中に現れる火の粉などの障害をかいくぐっている瞬間。文字盤を見ると、マリオのすぐ近くにあるハンマーを取りたい衝動に駆られます（ハンマーを取ると樽が壊せるようになる）。
文字盤はピクセルデザインを徹底し、3層構造の文字盤の上にコールドエナメルで彩ったキャラクターをセット。ゲームは平面でしたが、文字盤は立体的で非常に躍動感があります。
宇宙、海、火山など、様々な伝説的な物事を巧みに腕時計と融合させてきたロマン・ジェロームは、ゲームの世界とも深く関わっています。今回発表されたドンキーコングのほかにも、スペースインベーダーや、パックマン、テトリス、スーパーマリオと、ユニークなゲームタイトルを腕時計に表現してきました。
実は、SIHHの会場で、すでにドンキーコングの次も控えているという発表がされました。きっと2017年のバーゼルワールドで披露されると思いますが、ヒントは昨年にスマホゲームで世界的ブームとなった“あの”タイトル。毎度のことながら、ロマン・ジェロームの着眼点には驚くばかりです。
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