SIHHで毎年大きな話題を呼ぶIWCは、2017年の新作として「ダ・ヴィンチ」コレクションをリニューアル。こちらは、IWCが誇る伝説のウオッチメーカーである、クルト・クラウス氏が開発した、これまたIWCの誇る永久カレンダー機構を初搭載したコレクションとして、ウオッチラバーならば抑えておきたい時計です。
前世代までは六角形のケースが印象的でしたが、今作からは1980年代の意匠からインスピレーションを受けたラウンドケースを採用。ビジネスでも活躍すること間違い無しのデザインに仕上がっています。
「ダ・ヴィンチ」は大別して、ケース型40mmの自動巻き、40mmクロノグラフ、パーペチュアル(永久)カレンダー・クロノグラフと女性がつけることも視野に入れた36mmの自動巻きモデルの4つに分けられます。60万円台から数百万円まで、非常に幅広い価格帯を備えており、いかなる層にも楽しめるよう考慮されたコレクションとなっています。この中で本誌がオススメしたいのは、40mmの自動巻きとクロノグラフです。
ポイントとなるのは
1、あえてのクラシック感
2、美しい”円”状の高品質ケース
全てのモデルの基本となる40mm自動きは、ラグジュアリーな意匠はそのままに60万円台の価格を実現(レザーモデル)。1本目の機械式時計としても手の届く一本なのです。その意匠を紐解くと、2段式に型どられたベゼルがクラシック感を演出し、中世の騎士が持つ剣のような形状をしたランセット型の針がさらに雰囲気を盛り上げます。手につけるとスーツの袖口にもスッキリ収まるのでビジネスシーンでも主張しすぎず活躍するでしょう!(時計が不必要に分厚いと、袖からもっこりとハミ出してしまいみっともないのです!)
こうして、あえてケースをクラシックに仕上げつつ、”円”というテーマのもと、必要なもののみで構成された非常に規則的なデザインコードが徹底されている点も素晴らしいです。付き合うほどにバランス良いデザインに”味”を噛み締められる時計だと思います。これは、もう一つのオススメであるクロノグラフでも同様の規則が見て取れます。
2カウンターと美しい青文字盤で構成されたIWCらしい一本ですが、その端正な顔は同社のポルトギーゼやパイロットにも通じる精悍な印象です。”インター(IWCの俗称)の青”は近年とても人気が高いですが、中でも本機は手の届きやすいモデルであり、狙いめですよ!
「ダ・ヴィンチ」のように、ブランドの顔たる永久カレンダーで語られることの多いコレクションは、デザイナーへの取材でブランド側としてもいかに進化させるかが悩みの種である、と語られることが多いものです。試行錯誤が繰り返された時計は、実際購入するにあたり高いのか安いのか……?
価格としてはいずれも決して安くないですが、同社が開発にかけた手間を考えると一考の価値アリ、と考えます!
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