腕時計専門誌「WATCHNAVI」が読者と正規時計専門店とともに導き出した「2018年 腕時計最強ランキング」。その番外編として、時計評論家・並木浩一さんに2018年のベストウオッチを聞きました。1990年代から時計界を見続けてきたご意見番のお眼鏡にかなったBEST5とは、果たして !?
惹かれたのは“スマホ時代になお欲しくなる時計”。2019年はパラダイムシフト最初の年か!?
●BEST5の選出基準
「自分の美意識と価値観、経験則に照らし、 絶対的に人に勧められるものだけを選びました」
●1年間の総括
「“腕時計が、腕時計でありながら、どれだけ腕時計から離れられるか”を、競っていたように感じられる1年 でした。決して否定的なわけではなく、もはや人智を超えた複雑時計であったり、実用的に見えながら芸術的である仕掛けだったりと“スマホ時代になお欲 しくなる腕時計”に特に心を惹かれたともいえます。パラダイムを変えた最初の年として記憶されるだろう2019年に、強い興味と期待を感じています」
【並木浩一が選んだ2018年のベストウオッチ 第5位】コルム「アドミラル レジェンド42 クロノグラフ」
(並木浩一さんのコメント)「インデックスのデザインは、海上で船に掲げてメッセージを伝える国際信号旗の数字旗。ヨットマンを初め、潮っ気たっぷりの海の男をウィットで魅了する不滅のロングセラー」
【第4位】ブライトリング「ナビタイマー 8 スーパー 8 B20 オートマチック 46」
(並木浩一さんのコメント)「ナビタイマー 8のなかでも異端なエクストリームな魅力が香る。46㎜径は逞しいが、すっきりしたスタイルは凛々しい。従来のブライトリングが表現してこなかった魅力」
【第3位】ブレゲ「マリーン アラーム ミュージカル 5547」
(並木浩一さんのコメント)「チタンケースをブレゲが使うのは“タイプ XXI”以来のはず。スマホが普及した時代に、 機械式のゼンマイで鳴らすアラームの姿は、 腕時計の存在意義そのものに重なります」
【第2位】パテック フィリップ「アクアノート・クロノグラフ」
(並木浩一さんのコメント)「意表をついた登場とともに、 垂直クラッチ採用の自動巻きクロノムーブメントを収めて実用性を重視した、シリアスな本気ともいうべき真摯さに脱帽」
【第1位】モンブラン「モンブラン 1858 モノプッシャー クロノグラフ リミテッドエディション100」
(並木浩一さんのコメント)「尊敬すべきミネルバの血を引くことが、シースルーバックからムーブメントを見ればひと目でわかります。モノプッシャー、カセドラルハンドなど、ヒストリカルな意匠が見事」