2017年にエプソンと業務統合し、「オリエントスター」ブランドは新たな船出を切りました。そもそも日本有数の技術力を持つ時計ブランドなのは周知の事実で、国内外から高い評価を受けています。今回、この人気ブランドからとびっきりの新作として送り出されるのが、スポーティな「ダイバー」と「セミスケルトン」!! どちらも注目ポイントが、丸みを帯びたディテールにあります。
撮影/江藤義典
新発想の丸みを帯びたケースでスーツにも合わせやすい
まずはダイバーズウオッチについて解説します。スポーツコレクションに新たに生まれる「オリエントスター ダイバー」は、ISO 6425(1996年改定)のダイバーズ基準を満たす高機能が魅力です。そのひとつが200m空気潜水用防水で、実際に深海200m(一般ダイバーは潜水できませんが…)での使用を保証するハイスペックです。
一見、1960年代に一世を風靡したオリエントのキングダイバーの面影を残す外観ですが、さらにスッキリした印象を持ちます。これは、競技場の陸上トラックをヒントにした角のないスタイルを共通コンセプトに据えているためで、従来のダイバーズとは一線を画すデザインといえるでしょう。スーツやシャツの袖口に引っかかりにくい、ビジネスでの利用も考慮した設計のため、オン・オフ問わずあらゆるシーンで使うことができます。
<注目ディテール>
角を取った指針と新開発のオリジナルアラビア数字
ダイバーズの針というと、角が尖っていたり、角ばった形が多いですが、この新作オリエントスターは“トラック形状”の丸みのある針を採用しています。これに合わせてバーインデックスも柔らかなデザイン。いかにも潜水ツールらしいマッシブな顔立ちではなく、マイルドなフェイスが見る者に好印象を与えます。
そして逆回転防止ベゼルに印された潜水時間を計るダイビングスケールの数字に、新開発のフォントを使っています。放射状配置を考慮してオープンタイプとストレート基調を使い分け、各数字の差が大きく、瞬時の判読がしやすくなっています。とりわけ“2”にその特徴が表れています。
<注目ディテール>
厚さ14mmながらのスリム感の秘密はベゼルの傾斜
ダイバーズは高い防水性能を確保するため、ケースが大きく、厚くなりがちです。しかし本機はスマートに見えます。実際のケースサイズは直径43.6mm、厚さ14mmという同等スペックのダイバーズと大差ありませんが、その設計に理由があるのです。ベゼル外周の滑り止めのローレット部が、緩やかな傾斜をつけています。これによってダイバーズ特有の無骨さが薄れ、スリム感を強調する隠れたディテールになっているのです。
また、ガラスはフラットなサファイアクリスタルを採用して、ベゼル表面との凹凸を少なくしました。これも袖口の引っかかりをなくす工夫で、スリムなプロポーションにひと役買っています。
<本格スペック>
ボリューム感のある高輝度ルミナスライト
光の届かない海底やナイトダイビングでも時刻や潜水時間を把握するため、ダイバーズのダイアルは夜光機能を備えています。今回、この性能の向上を目指し、高輝度蓄光塗料「ルミナスライト」を立体的な箱型インデックスにたっぷり流し込んで、これまでよりも体積を増やすことで輝度が上がり、発光の持続時間も長くなりました。時・分・秒針、ベゼルの基点マークにもルミナスライトは備えられており、夜間や暗い部屋でも時刻をスムーズに読み取ることができます。
<本格スペック>
ブレスレットのエクステンション機能
ブレスのエクステンション機能も本格派ダイバーズの必要機能で、ウェットスーツの上から着用する際に使われるものです。この新作が、プロユースを想定したダイバーズであることの裏付けでもあります。不要な機能として使われていないことも多いですが、実は日本の夏のような高温多湿な環境では特に役立ちます。汗をかいた腕に時計を装着していると、ベタついて不快に感じることがあります。そんなときはエクステンション機能を使って腕回りに余裕を持たせ、その不快を解消しましょう。
オリエントスター ダイバー Ref.RK-AU0301B 8万6400円
オリエントスター ダイバーのバリエーションはコチラ↓
休日のカジュアルコーデにハマるダイバーズルックな一本
もう一方の新作が、厳密にはダイバーズと呼ばないものの、近年マーケットを賑わせている“ダイバーズルック”を取り入れたスポーティな「オリエントスター セミスケルトン」です。オリエントスター ダイバーとは打って変わり、ダイアルの小窓からムーブメントが覗くポップな外観が特徴ですが、日常使用に安心な20気圧防水、逆回転防止ベゼル、高輝度蓄光塗料「ルミナスライト」を備えるなど、ダイバーズに匹敵する高いスペックを誇ります。
そして何といっても、ダイアルからムーブメントが顔を覗かせるオープンワークが最大の魅力です。オリエントスターのシンボル的なディテールのひとつに数えられ、ゼンマイで駆動する機械式時計の醍醐味を着用中も味わえます。しかも、ダイバーズスタイルのモデルにオープンワークデザインを取り入れたのは、本機が初めてということです。
こちらは大人のカジュアルファッションに映える新作として、文字盤は3色、ケースのカラーリングも3タイプを用意。とくにグリーンダイアルは近年話題になっており、流行に敏感な人は注目です。ディテールにもこだわり、オリエントスター ダイバーと同じ丸みを帯びた針を共通とする以外は、異なるデザインが採用されています。
<注目ディテール>
シャープな印象を与えるラグの複雑なデザイン
オリエントスター ダイバーよりもカジュアルに重きを置いたスポーツデザインとして、ラグに多面カットを加えています。この独創的なディテールの効果は、時計自体に力強さをもたらすとともに、多種多彩なスポーツウオッチのカテゴリーでも埋もれぬ個性を発揮します。ちなみに専用ブレスレットは、中ゴマ部分にもカットを施して統一感を持たせるというこだわりようです。
<注目ディテール>
ムーブメントの作りを堪能できるシースルーバック
機械式時計を身近に楽しむなら、シースルーバックモデルがお薦めです。テンプが駆動する姿や「チッチッチッ…」という独特な音は、所有者だけが悦に浸れる特別な時間となります。そんな機械式の魅力を「オリエントスター セミスケルトン」は表裏両側で楽しむことができるのです。ローターにはオリエントスターのロゴマークをゴールドカラーであしらっています。
オリエントスター セミスケルトン Ref.RK-AT0104E 9万1800円
オリエントスター セミスケルトンのバリエーションはコチラ↓
今回の新作は、機械式スポーツウオッチにこだわるオリエントスターの新たな一面を感じ取ることができます。ダイバーズという群雄割拠の人気ジャンルだけに、時計自体に強いパーソナリティが求められる時代です。46系ムーブメント(昭和46年誕生)に代表されるように、長年に渡ってキャリバーまで内製化してきた同ブランドは、メカの開発コストが抑えられるというメリットがあります。それゆえに、オリエントスターの個性のひとつに数えられるコストパフォーマンスの良さが実現しているのです。新ダイバーズもその利点を大いに生かし、こだわりの強い外装デザインが完成したといえます。
問:オリエントお客様相談室 TEL.042-847-3380
https://www.orient-watch.jp/orientstar/
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