チューダーの創立者・ハンス ・ウイルスドルフは、こう語ります。
「私は何年もの間ロレックスの技術と信頼をもって確固たる品質と先駆性を備えた腕時計を創りたいと思ってきた。その価値ある新しい腕時計を製造・販売するために私は新たに『チューダー ウォッチ カンパニー』という会社を立ち上げることにした」
ではチューダーとは、そもそもどんなブランドなのでしょうか?
創立者のビジョンのもとに現在は自社製造体制も確立
日本では「チュードル」と呼ばれていましたが、今回、創立時にヒントを得たという15世紀末の英国で繁栄を築いたチューダー 朝に近い発音に名が改められました。 チューダーは同家の紋章であるローズを装飾に使うほか、コレクションの堅牢性を意味するロゴの盾も、所縁あるものです。
では、その歴史をひも解いていきましょう。 創立者はロレックスを成功に導 いたハンス・ウイルスドルフで、 彼の理念を表現するもうひとつのブランドとして興されました。腕時計の市場が急速に成長する時代に、ロレックスが誇る技術、特有の機能を活かした新しい腕時計として、チューダーの発展にも力を注いだといいます。
その成果は1950年前後に実を結び、北グリーンランド探検隊に支給した「チューダー オイスター プリンス」や「チューダー オイスター プリンス サブ マリーナー」を開発するなど、 耐久性、信頼性、精度、そして 防水性において高い評価を得ました。その評判はアメリカやフランスの海軍にも伝わり、制式採用されたのである。詳細は後出しますが、ファブリックストラップはこれら軍との関係性から生まれた由緒正しい歴史があるのです。
2010年の「ヘリテージ クロノ」発表以降は、“ヘリテージ”と“テクノロジー”という2本柱を据えて、リバイバルプロセスを確立中。前者は歴史的傑作をルーツとするレトロシックな意匠に、現代的な解釈を与えた「ブラックベイ」や「ヘリテージ クロノブルー」らを指し、後者は革新的な機能や新素材を投入した「ブラックベイ ブロンズ」や「ペラゴス」といったモデルを表します。そして2015年、チューダー初の自社製ムー ブメントが完成したことで、ブランドとしての独立性を主張するとともに、新たなステージへと踏み出すことに成功しています。
TUDOR(チューダー)
・創立年=1926年
・創立者=ハンス・ウイルスドルフ
・創立地=スイス/ジュネーブ
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