タフなプロスペックが信条のG-SHOCKですが、1990年代にはカシオ開発陣の遊び心が感じられるモデルがいくつも存在していました。その中でもコイントスとスロットは、21世紀の今でも楽しい“遊べる”機能を搭載していました。
液晶アニメーションのコイントスとスロットで遊ぶ
1994年6月発売のDW-6600に初めて搭載されたELバックライトとは、交流電流で発光するエレクトロルミネッサンス(EL)素子を利用して文字盤を明るくする照明装置のこと。それ以前の豆電球を利用したマイクロライトより大光量なうえに、消費電力は同レベルという画期的な技術でした。
そのELバックライトに浮かび上がるユニークな絵柄には、カシオ技術陣の“遊び心”が表れていたと言えるでしょう。その中でも傑作なのが、1995年5月に登場したコイントスとスロットです。
どちらもELバックライトに浮かぶ液晶アニメーションで、コイントスには最終的に「G」(表)、「Gの鏡文字」(裏)、「Lost!」(はずれ)という3種類の絵柄に行き着きます。一方のスロットは、文字通りスロットマシンのように3列のマークが回転し、「G」が3つ揃うと、大きなGマークに変わって祝福してくれます。
どちらも最近のG-SHOCKには見られない独特のセンス。セールス的には決して成功したモデルとは言い切れませんが、こんな“遊べる”機能の復活を熱望しているファンも多いに違いありません。
DW-8120-1のELバックライトを点灯すると、紙幣のイラストが浮かびます。と同時に、3ケタのマークがスロットマシンのように回転し、順にストップ。「G」が3つ揃うと大当たりです。
8000系4タイプと8100系3タイプのそれぞれに、コイントスとスロットがラインナップしていました。発売は1995年8月。ELバックライトの誕生からわずか1年強で、動きのあるアニメーションを展開したカシオの技術力と発想力に脱帽です。
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