ケースやダイアルのデザイン・素材など、時計の魅力を決定する要素は数多く存在するが、時計ファンならその心臓部であるムーブメントに注目したいもの。そこで、本特集では人気ブランドについて、[ムーブメント概要=全体像][基幹=主力ムーブメント][最新&注目のムーブメント]について詳細を解説。時計内部の知識が深まれば時計の真価もさらに理解できるはず。今回はゼニスをピックアップ!
ゼニス(ZENITH)
時計史に燦然と輝く傑作機エル・プリメロの技術を進化
創業当初から海軍用計測器や懐中時計などを製造し、国際見本市や博覧会で2333もの賞を獲得。1969年に完成させた毎時3万6000振動の傑作ムーブメント、エル・プリメロで知られる名門マニュファクチュール。1/10秒単位や1/100秒単位など、超精密計測が可能なクロノグラフの実用化で数多くの偉業を達成。現在は基幹ムーブとして自動巻き13機種、手巻き(Cal.8812、Cal.4805)の2機種を製造する。
基幹ムーブメント
エル・プリメロ誕生50周年を記念して2019年にアップデートされた、自社製自動巻きクロノムーブ。クロノの駆動エネルギー方式やシリコンパーツの導入などにより1/10秒の計測を容易にした他、エル・プリメロ搭載の従来機Cal.エル・プリメロ400に比べパワーリザーブは50時間以上から60時間以上へと向上。オープンワークが施された同3604や、クロノ機構をはずした3620などの派生ムーブがある。
主な派生ムーブメント
Cal.エル・プリメロ 3604、同3620 など
注目の最新ムーブメント
時刻表示用の毎時3万6000振動のテンプ機構に加え、クロノグラフ用の毎時36万振動のテンプ機構も装備することで、1/100秒計測を可能にした自社開発の自動巻きクロノムーブ。ゼンマイも時刻表示用とクロノグラフ駆動用の2つを持ち、リューズを時計回りや反時計回りに回すことで、それぞれを巻き上げる方式になっている。パワーリザーブは約50時間。
搭載モデル「デファイ 21 クロマ」
問い合わせ先:LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス TEL.03-3575-5861
https://www.zenith-watches.com/
◎本記事は『ウオッチナビ 2022 Summer Vol.86』より抜粋・編集しています。
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