【ジラール・ペルゴ】ラグジュアリースポーツウオッチの本流「ロレアート」が選ばれる理由を識る――スポーツシックの歴史を統べる者

1970年代の高級時計界に颯爽と表れたジラール・ペルゴ「ロレアート」。この名機がいまなお多くの人を魅了する背景を、その歴史と現行品から読み解く。

独創デザインで示す高精度と先進性の追求

ロレアートは、真円と八角形を組み合わせたベゼルを持つジラール・ペルゴの代表作だ。ケースとブレスレットが一体化したフォルムは、この時計が誕生した1970年代に興った“ラグジュアリースポーツ”の流れを汲む造形で、同ジャンルに該当するいくつかのモデルと共に高く再評価されている。しかも1975年のロレアートがクオーツウオッチだったことが、個性を際立たせた。ちなみに、ジラール・ペルゴはスイス時計界でも珍しく単独でクオーツムーブメントを開発しており、現在の世界基準であるクオーツ時計の振動数「毎秒3万2768Hz」は同社のGP-350キャリバーが発祥。ロレアートというモデル名も、自社製クオーツムーブメントがヌーシャテル天文台でクロノメーター検定の承認を得たことから、伊語で“資格あるもの”を意味する言葉が選ばれた、という説が有力だ。


↑1975年製のオリジナル「ロレアート」。ミラノの建築家がデザインしたとされ、クオーツ搭載で30m防水と薄型化を達成した。

 

その後、ロレアートはいくつものターニングポイントを迎えながら、2016年のブランド創業230年の限定復活を経て、翌年にレギュラー化。オリジナルへと回帰した、シックな表情を持つラグジュアリースポーツウオッチとなった。現在は基本サイズを直径42mmと34mmに設定し、これに直径44mmの現代版「アブソルート」を加えた製品構成を展開。これは筆者の推測だが、派生サイズなどの製造ラインから見直すことで、少しでも入手困難な状況の改善を図ったのではないだろうか。2年後には誕生から半世紀を迎えるロレアート。このスポーツシックの名機から今後も目が離せない。

 

初代ロレアートのスタイルを色濃く受け継ぐ


①「ロレアート クロノグラフ 42mm」 Ref.81020-11-131-11A 244万2000円
外装に904Lステンレススチールを用いたクロノグラフ版。特徴的なクル・ド・パリ装飾により、“パンダ”ダイアルの個性が引き立つ。ケースは12.01mm厚に抑えている。自動巻き。直径42mm。100m防水。

 

②「ロレアート 42mm」 Ref.81010-11-3153-1CM 188万1000円
トレンド感のあるグリーンを文字盤に配色。白色発光する夜光処理が施された針とインデックスはPVD加工でブラック仕上げに。自動巻き。ステンレススチールケース。直径42mm。厚さ10.68mm。100m防水。

 

③「ロレアート 42mm」 Ref.81010-11-431-11A 188万1000円
キャリバーGP01800-0013を搭載した定番品。細部を際立たせるコンビネーション仕上げや、力強いH型ブレスレットの造形など、名機のエッセンスが堪能できる。ステンレススチールケース。直径42mm。厚さ10.68mm。100m防水。

 

④「ロレアート スケルトン セラミック」 Ref.81015-32-001-32A 656万7000円
特徴的な一体型ケースを、高硬度ブラックセラミックで作り上げた意欲作。自動巻きスケルトンキャリバーGP01800-0006にガルバニック処理を施す。直径42mm。厚さ11.13mm。100m防水。

 

 

ロレアートを独創的アイデアでアップデート


「ロレアート アブソルート ライト&シェード」 Ref.81071-43-2022-1CX 1310万1000円

先進素材とモダンデザインを融合した進化系の一本。金属化サファイアクリスタルとチタンで構成されたケースは、直径は44mmで厚さは11.56mm。約54時間駆動する自動巻きキャリバーGP01800-1143を搭載する。ラバーストラップ。30m防水。

 

問い合わせ先:ソーウインド ジャパン TEL.03-5211-1791 https://www.girard-perregaux.com/

ジラール・ペルゴ 全国の正規取扱店:https://www.girard-perregaux.com/jp_jp/retailers

 

Text/水藤大輔(WATCHNAVI編集部) Photo/星 武志(estrellas) Styling/石川英治(TableRockStudio)

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