「シリコンがんぎ車を用いた機械式時計」の発明で令和5年度関東地方発明表彰「長野県知事賞」を受賞

セイコーエプソンは、令和5年度関東地方発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)において、『シリコンがんぎ車を用いた機械式時計(特許第6891622号)』の発明により「長野県知事賞」を受賞した。関東地方発明表彰における同賞の受賞は、昨年度に続いて2年連続となる。

「長野県知事賞」受賞者:(左)澁谷 宗裕さん(中)舟川 剛夫さん(右)永坂 栄一さん

大正10年に始まった地方発明表彰は、全国を8ブロック(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)に分け、各地域において優れた発明、考案または意匠を生み出した技術者・研究開発者を顕彰する制度。今回「長野県知事賞」を受賞した発明は、ゼンマイがほどけるトルクをエネルギー源として時分針を運針する機械式時計において、時間精度や駆動時間に影響する重要な部品である「がんぎ車」に、エプソン初となるシリコン材料を採用したものだ。

今回の発明品である「シリコンがんぎ車」は、金属製の中心軸と軽量なシリコン材料からなる回転部材で構成されている。回転部材は、中心軸に対して回転のズレがなく、中心からも外れずにはめ合わせできるように、シリコンのしなる特性を利用したバネ性を持つ微細で複雑な形状に加工している。この加工には、エプソンのプリントヘッドの製造にも使用される超微細加工技術を用いた。

機械式時計に発明品である「シリコンがんぎ車」を搭載したことにより、エネルギー効率が向上し、精度を保ちながら最大70時間駆動を実現している。(従来の金属製がんぎ車搭載の場合と比べて最大20時間延長)。天の川銀河をイメージした鮮やかなブルーの渦形状で作られた「シリコンがんぎ車」は、オリエントスターのスケルトン機種に搭載され、文字盤の中でひと際存在感を放っている。

【シリコンがんぎ車搭載モデル】

オリエントスター「スケルトン」 Ref.RK-AZ0102N 34万1000円/手巻き(自社製Cal.F8B61)、毎時2万1600振動、70時間以上パワーリザーブ。ステンレスケース(シースルーバック)&ブレスレット(交換用本ワニ皮革ストラップが付属)、両球面サファイアクリスタル風防(SARコーティング)。直径39mm、厚さ10.8mm。質量142g。5気圧防水。

 

【受賞および受賞者】

<長野県知事賞>

・澁谷 宗裕さん(しぶや むねひろ)
セイコーエプソン株式会社 マイクロデバイス事業部 TD技術部

・舟川 剛夫さん(ふなかわ たけお)
セイコーエプソン株式会社 技術開発本部 プロセス技術開発部

・永坂 栄一さん(ながさか えいいち)
セイコーエプソン株式会社 ウエアラブル機器事業部 WP設計技術部

 

【詳細URL】

・「オリエントスター」Brand value
URL:https://www.orient-watch.jp/orientstar/brand-value_manufacture.php
※URLリンク先には、受賞発明の概要と特許番号「特許第6891622号」を記載。

・「オリエント」機械式腕時計の設計技術
URL:https://corporate.epson/ja/technology/search-by-products/wearable/orient-watch.html

 

問い合わせ先:問い合わせ先:オリエントお客様相談室 TEL.042-847-3380 https://www.orient-watch.jp/

Text/平野翔太(WN編集部)

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