時計専門誌『ウオッチナビ』では、毎年年末号で人気時計をあらゆる角度からランキングにして紹介する大特集を組んでいる。順位付けのデータは当サイト『WATCHNAVI Salon』で募ったアンケートをベースにしているため、リアルな人気時計を把握できるのだ。本稿では2023年末に実施した全国の有力正規販売店とユーザーによる総合ランキングを6つのジャンルごとに分析した中から、「ドレスウオッチ」をフィーチャーする。
シンプルなだけじゃない歴史的な意義ある正統派
フォーマルな服装に合わせることも多いドレスウオッチは、シンプルで上品なデザインが求められる一方で、伝統の継承や現代性の追求、スポーティさの加味など、多彩なコンセプトが存在する。その中で歴史的な意義あるコレクションが上位を独占した。
1位と2位のカルティエは、時計史的にもデザイン的にも由緒正しき正統派。しかも直近のアップデートによってモダンに進化した角型コレクションだ。偉大なルーツに敬意を表した意匠は現代的な魅力も兼ね備え、一生ものとして高い評価を得た。今後もサイズ展開や文字盤カラーの多様化は、ドレスウオッチの可能性を大きく広げるに違いない。
＜ドレスウオッチ3位＞ ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・デュオ」
ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・デュオ」 Ref.Q3988482 194万4800円
反転式ケースのアイデンティティは永遠に不変
初代レベルソの意匠を継承しつつ、2つの時間帯と昼夜を表示可能な手巻きキャリバーを搭載。表面はブルーのサンレイ仕上げで、ドルフィン針とバトン型インデックスがクラシックな印象。第2時間帯表示とデイ／ナイトはシルバーの裏面に配される。
スペック：手巻き（自社製Cal.854A）、毎時2万1600振動、42時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース、カーフストラップ。縦47×横28.3mm、厚さ10.3mm。3気圧防水。
●ショップの評価
「文字盤とストラップのブルーが知性的でエレガント｡スーツとも相性抜群」（TANAKAウォッチギャラリー久屋大通店／杉浦昂季さん）
問い合わせ先：ジャガー・ルクルト TEL.0120-79-1833 https://www.jaeger-lecoultre.com/jp-ja
＜ドレスウオッチ2位＞ カルティエ「タンク フランセーズ」
カルティエ「タンク フランセーズ」 Ref.CRWSTA0067 86万9000円
コレクション初のアップデートでモダニティを極める
基本デザインを継承しながら、ディテールが大きく進化。アーチ状のケースとブレスがシームレスに連続し、リストウオッチというよりもブレスレットウオッチのような洗練の意匠に。ドレスウオッチ部門2位にふさわしい優雅なシルエットを描く。
スペック：自動巻き（Cal.1853）、毎時2万8800振動、約37時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース＆ブレスレット。縦36.7×横30.5mm、厚さ10.1mm。日常生活防水。
●ショップの評価
「圧倒的な人気。一体化したシルエットの美しさがよりエレガントさを際立たせている」（カミネ クロノメトリー店／瀧下 優さん）
問い合わせ先：カルティエ カスタマー サービスセンター TEL.0120-1847-00 https://www.cartier.jp/
＜ドレスウオッチ1位＞ カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」
カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」 Ref.CRWSSA0063 106万9200円
XL、LM、MMの3サイズ展開で頂点へ！
総合1位で掲載したデイト付きのLM（ラージモデル）に対し、こちらは小振りなMM。外周に向かって暗くなるサンレイ仕上げのブルーグラデーション文字盤は、日付がない分すっきりした印象。夜光付きの時分針やシルバーのインデックスは共通だ。
スペック：自動巻き（自社製Cal.1847 MC）、毎時2万8800振動、約40時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース＆ブレスレット。縦41.9×横35.1mm、厚さ8.8mm。10気圧防水。
●ショップの評価
「スポーティなケースに汎用性の高さが魅力。ローマンインデックスも光の当たり方で立体感が生まれます」（COMMON TIME渋谷公園通り店／佐竹 真さん）
●投票者のコメント
「メンズウオッチのパイオニアとしての歴史が改めて伝わった1年。特に秀作が多かった今年の新作のなかでも、このモデルは象徴的でした」（D.Sさん）
問い合わせ先：カルティエ カスタマー サービスセンター TEL.0120-1847-00 https://www.cartier.jp/
構成・文／WATCHNAVI編集部 ※価格は記事公開時点の税込価格です。本記事は『ウオッチナビ Vol.92』より抜粋・編集しています。