時計専門誌『ウオッチナビ』では、毎年年末号で人気時計をあらゆる角度からランキングにして紹介する大特集を組んでいる。順位付けのデータは当サイト『WATCHNAVI Salon』で募ったアンケートをベースにしているため、リアルな人気時計を把握できるのだ。本稿では2023年末に実施した全国の有力正規販売店とユーザーによる総合ランキングを6つのジャンルごとに分析した中から、「3針スポーツウオッチ」をフィーチャーする。
スポーティにしてエレガントな佇まい
“時刻を確認する”という基本機能を重視した3針スポーツウオッチのうち、ダイバーズウオッチを除いた腕時計が対象となるこの部門。1位のラジオミールは話題の40mm径サイズで、ステンレススチール製のブラック、ブルー、ホワイト、グリーンの文字盤などもラインナップするが、人気を集めたのはパネライ独自のゴールドテックケースモデルだった。特にホワイト文字盤との組み合わせは、「あまりに洗練されている」と絶賛された。
2位は元々“3針スタンダード”の雰囲気で、3位はホワイト文字盤だと急に品のある佇まいになる。例年ならレーシング系やミリタリー系がもっと食い込んでくるが、今回は逆にエレガントなモデルが上位を占めた。
＜3針スポーツウオッチ3位＞ IWC「パイロット・ウォッチ・マークXX」
IWC「パイロット・ウォッチ・マークXX」 Ref.IW328208 95万1500円
洗練のホワイト文字盤で人気コレクションを拡充
1948年のマークXIからの系譜を受け継ぐ航空時計に、2023年は新色ホワイトが登場。先代マークXVIIIの6気圧防水が10気圧防水となり、パワーリザーブも120時間へ大幅に向上している。また日付表示が白背景となって判読性を高めており、これと対照的なブラック縁の時分針が精悍なイメージだ。
スペック：自動巻き（自社製Cal.32111）、毎時2万8800振動、120時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース＆ブレスレット。直径40mm、厚さ10.8mm。10気圧防水。
●ショップの評価
「根強いファンが多いマークシリーズは、計算しつくされたデザインと機能性が人気の秘密です」（HF-AGE 仙台店／推野智子さん）
問い合わせ先：IWCシャフハウゼン TEL.0120-05-1868 https://www.iwc.com/jp/ja/
＜3針スポーツウオッチ2位＞ グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」
グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」 Ref.SLGH005 115万5000円
白樺林を表現した日本的な美意識に惹かれる
新世代のGSキャリバー9SA5をレギュラーモデルとして初搭載し、時計界のアカデミー賞とも呼ばれるジュネーブ時計グランプリ（GPHG）の2021年メンズウオッチ部門賞に輝いたヒット作。工房であるグランドセイコースタジオ 雫石の近くにある白樺林を表現したニュアンスのある文字盤も好評。
スペック：自動巻き（自社製Cal.9SA5）、毎時3万6000振動、約80時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース（シースルーバック）＆ブレスレット。直径40mm、厚さ11.7mm。10気圧防水。
●ショップの評価
「ザラツ研磨による歪みのない鏡面仕上げ、80時間駆動、日本の美意識を取り入れた最高峰の一本」（ISHIDA新宿／前川真二さん）
問い合わせ先：セイコーウオッチお客様相談室（グランドセイコー） TEL.0120-302-617 https://www.grand-seiko.com/jp-ja