【ジン】の少量生産されたクロノグラフウオッチが現代仕様で復活

質実剛健を体現するドイツのウオッチブランド【SINN(ジン)】が最新作を発表。歴史的モデルを現代的に解釈し、新開発ムーブメントを搭載したクロノグラフ「156.1」より世界限定300本の「156.1.E」とレギュラー展開の「156.1」が新たに発売となり、価格は87万4500円(税込)~。

希少価値の高い「モデル155」を現代風にアレンジ

 

今回、新たに発表された「156.1.E」と「156.1」は、1980年代から1990年代初頭にかけて少量生産され、現在もコレクターたちから人気を誇る「モデル155」を現代風に進化させたコレクションだ。「モデル155」とは、1960年代にドイツ連邦軍で使用されていた“ダブルストップ機構クロノグラフ”として知られ、希少価値の高い歴史的モデルとなる。その後継機の「モデル156」と「156MILITARY」は、曜日と日付表示を行うウィンドウ表示機能を備え、上下をスライドさせる独特なスライド式ケース構造を採用。センターにクロノグラフ分針を備えたムーブメント、レマニア5012や24時間表示ディスプレイ付きのレマニア5100が搭載され、当時の技術革新を象徴するタイムピースとして高い評価を集めていた。

アイボリー色の夜光塗料が使われる「156.1.E」

世界限定300本となる「156.1.E」は、43mm径のステンレススチール製ケースにブラックの文字盤を組み合わせ、パイロットウオッチらしいデザイン性を強調。回転式のパイロットベゼルには、12時位置に夜光塗料を施したラウンドマーカーを配し、暗所でも基準時刻を簡単に確認可能だ。数字、時針、分針にはアイボリー色の夜光塗料が使われ、クラシックなヴィンテージテイストを演出。3時位置の日付表示は、コールスマンの気圧高度計を思わせる日付表示が特徴で、実用性とデザイン性を見事に融合させている。また、アンスラサイトカラーのハードコーティングが施されたベゼルは、特殊結合方式によりケースにしっかりと固定されるため、外れる心配はなくスムーズな回転を行う。

ジン「156.1.E」 96万8000円/自動巻き(Cal.SZ01)、毎時2万8800振動、約46時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット。サファイアクリスタル風防(両面無反射加工)。直径43mm、厚さ15.45mm。10気圧防水。世界限定300本。

 

「156.1」は2種類のバンドを展開

 

レギュラーモデルとなる「156.1」も、同じく43mm径のステンレススチール製ケースとブラック文字盤を採用するが、インデックスと時分針はホワイト、クロノグラフ針と秒針はレッドでデザインし、メリハリあるアクティブなデザインにまとめた。バンドはステンレススチール製とカウレザー製の2種類が展開される。「156.1.E」と「156.1」のどちらも、あえて24時間計を設けず、オリジナルのデザインを踏襲。また、カバーガラスにはサファイアクリスタルを採用し、オリジナルで使用したアクリルガラスよりも耐傷性を強化している。

ジン「156.1」 92万4000円/自動巻き(Cal.SZ01)、毎時2万8800振動、約46時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット。サファイアクリスタル風防(両面無反射加工)。直径43mm、厚さ15.45mm。10気圧防水。

視認性を追求した新開発キャリバーSZ01

新しい「156.1」シリーズには、ジンが新開発したクロノグラフムーブメント、キャリバーSZ01を搭載。通常の30分積算計の代わりに60分積算計を搭載し、スモールダイアルではなく、センター配置の積算計にアレンジし、クロノグラフ機能における読み取りやすさを追求したムーブメントとなる。新設計のネジ込み式ケースバックを備えたケースにムーブメントは組み込まれるが、これはオリジナルのスライド式ケースを再現したものだ。

ジンの歴史的なアーカイブウオッチを、現代の技術と発想で再解釈した「156.1」シリーズ。自社製の新開発ムーブメントを採用した点を含め、ブランドにとっても重要な位置づけにあることが分かる。時計愛好家ならば、パイロットウオッチ購入の際には、選択肢にぜひ加えたいモデルである。

 

問い合わせ先:ホッタ TEL.03-5148-2174 https://sinn-japan.jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

Text/三宅裕丈

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