フライング・トゥールビヨンによる精緻と“生きた金属”と呼ばれる素材による美。新しい限定時計で表現されるユリス・ナルダンの独創性

歴史ある独立系マニュファクチュールブランド【ユリス・ナルダン(ULYSSE NARDIN)】が、「ブラスト」コレクションの最新作を発表。マイユショール製の文字盤にフライング・トゥールビヨンを搭載した「ブラスト フリーホイール マイユショール」は世界限定50本でリリースされる。

複雑機構の極み、フライング・トゥールビヨンをセット

「ブラスト フリーホイール マイユショール」は、シルバーを基調にブルーのアクセントと大胆なメカニズムを融合したタイムピースである。本機は、6時位置に画期的なコンスタント・エスケープメントを搭載するフライング・トゥールビヨンをレイアウト。このエスケープメントは中央にアンクルを固定した円形フレームを備え、毛髪の4分の1にも満たない薄さの2つのブレードスプリング(板バネ)によって宙に支えられている。互いに垂直に取り付けられたブレードは、力を受けてしなやかに曲がり、常に安定した状態を維持する。

 

7日間の驚異的なロングパワーリザーブを実現

一方で12時位置にレイアウトされているのが、ブランド独自のフローティング・ダブルバレル・システムだ。一切の接続部が見えず、こちらも空中を浮遊しているかのような構造になっており、視覚的なインパクトもある。香箱が完全に露出しており、もう片方は見えない箇所で密かに作動している。精密な作りのボールベアリングによって各機構を完璧な位置関係に保たれ、7日間稼働という驚異的な駆動時間を実現している。そのパワーリザーブインジケーターは4時位置にセットされている。このインジケーターは静止したままで、3本のラインが重なることで完全に巻き上げられた状態、そして1本になることで残量が少ないことをユニークに視覚化する。また、香箱の左側には中間車、パワーリザーブ・ディファレンシャル、減速車、右側にはリューズの巻真と連動する巻上げ機構が配置され、巻き上げと時刻設定をシームレスに選択できる。

ファセットが施されたホワイトゴールド製ケース

存在感ある45mmのホワイトゴールド製ケースには、レーザー加工によるマイナスアングルのファセットが施されている。サテン仕上げとポリッシュ仕上げを組み合わせたこのブラストケースは、美しいフォルムと人間工学の視点からも高い評価を得ており、ユリス・ナルダンが誇る最先端技術を表している。その幾何学的なラインの中には、サファイアクリスタル製のユニークなウルトラガラスボックスが組み込まれ、ミステリアスなムーブメントをサイドからも鑑賞できるアーキテクチャになっている。このガラスボックスは、ひとつのサファイアクリスタルの塊から緻密なくり抜き加工によって作り出されている点も見事だ。

“生きた金属”と称されるマイユショール製の文字盤

本機のドーム型ガラスとフライング機構の下に広がるのは、温かみのあるシルバーがかった色合いと独特のキメのある質感で知られるマイユショール製の文字盤だ。共鳴的な音響特性により古くから楽器にも用いられてきたマイユショールは、時とともに独自の風合いを醸し出し、個性と深みを増す“生きた金属”とも称される。この文字盤から見える手巻きのスケルトンムーブメント「キャリバーUN-176」は、ユリス・ナルダンの技術部門が2年の歳月をかけて開発したもの。ラバーストラップは防水仕様で、鮮やかなブルーのベルベット調のデザイン。ホワイトゴールド製のフォールディングバックルが備えられており、機能面や重厚感でも高い完成度を誇る。

ミステリアスなデザインと革新的なメカニズムが融合

最新作「ブラスト フリーホイール マイユショール」は、ミステリアスなデザインと革新的なメカニズムが完璧に調和した、ユリス・ナルダンの技術とセンスが活かされたタイムピースである。ケースデザインから文字盤素材、搭載機構まで、時計愛好家たちを魅了するに違いない。そして世界にたった50本という希少性も、本機を特別な存在へと高める要素となるはずだ。


ユリス・ナルダン「ブラスト フリーホイール マイユショール」 Ref.1760-401LE-4A-MAIL/3A 価格問い合わせ/手巻き(Cal.UN-176)、毎時1万8000振動、170時間パワーリザーブ。ホワイトゴールドケース(シースルーバック)、ラバーストラップ。直径45mm。3気圧防水。世界限定50本。

 

問い合わせ先:ソーウインド ジャパン TEL.03-5211-1791 https://www.ulysse-nardin.com/jp_jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

Text/三宅裕丈

TAG

人気のタグ