時計を愛してやまないユーザーのリアルな実態を調査すべく、全国有名正規時計販売店に突撃する本企画。
第2回目は「BEST新宿本店」。
専門店ながらも若いユーザーが多く訪れ、活気にあふれており、楽しんで時計を見ることができる環境が整っているのが印象的でした。そんな同店の魅力に迫ります!
5年10年後に良かったと思う買い物をしてもらうのが冥利――BEST新宿本店に多く訪れる若いユーザー。いわゆる〝新卒〞社会人の彼らのような世代が100万円を超える時計を購入しているという事実には驚かされました。
小林:彼らは同じ会社の同期なんです。池田さんがまず初めに来てくれて、2人を紹介してくれたんです。
池田:半年前くらいに時計を探して新宿中を歩き回って、BESTには最後の最後にフラッと入ったんですよね。小林さんと偶然出会って、その日のうちにいま着けているウブロの時計に決めたんです。
小林:機械式時計は初めてと聞いたので、100万円オーバーの時計だし、やめた方がいいよと言ったんですけどね(笑)
――小林店長からは特に熱烈に営業をされたわけでなく、むしろ時計の薀蓄めいた話は一切なかったといいます。池田さんが覚えている話というと、小林店長のバンド活動のことだそう。
久保田:僕は銀座の色々な時計ブティックを見て回っていたんですが、〝セールス感〞が強くて決めきれなくて。池田君にBESTの話を聞いて小林店長を紹介してもらって正解でした。時計って額が額なのでアフターサービスをかなり重視していたし長く使いたいから人で選ぼうと。
人で選んだからこそ時計をしっかり見られたんだと思います。
小林:5年10年と使って、それでも良かったと思ってもらえるのが何よりという想いがあるので、この仕事の冥利に尽きますね。
常々思っているのが、売ったり買ったりするだけの関係はつまらないということ。メンテナンスで3ヶ月ごとに来てもらって、30歳になったら金無垢がいいよとか、結婚したらこんなペアウオッチが素敵だよ、とかその人の人生に根ざした提案がしたいんです。
サプライズの演出とかも一緒にできたら楽しいじゃないですか。
佐藤:僕はこの中で最後に購入したんですが、最初は買うつもりなくここに来たんです。
でも、4Fフロアの時計を全部試させてもらって、他の2人もすでに購入済だったこともあり、男ならそこに並ぼう!と決意して購入しました。この時計が2人ともお店とも、持っているだけで繋がりのように思えています。
小林:繋がりを感じられるものって多くないですからね。それこそ子供に受け継いだりできるわけだから。
池田:それは夢ですね。コレは子供に譲って、自分は次の時計にいきたいです。
久保田:池田君は後輩とかにもあげそうだよね(笑)
佐藤:確かに!2代目、3代目池田として、自分が気に入った時計を受け継いでもらうっていいな。粋だよね。
――初めての高い買い物に3人は想い想いの価値を感じている様子。
いままで感じたことのない感情こそが、高級時計を買う最高の意義かもしれません。
佐藤:最近、ゼンマイを巻く瞬間がすごく心地良いんです。無になれる瞬間というか、そういう時間が”無駄”ではなく”余裕”と感じるようになりました。
久保田:佐藤は自分に酔いがちだな(笑)でも僕もこれを買ってから仕事も伸びたし、高級品の特別感が分かりました。