日本の時計が描く未来 最新技術とデザインで新たな価値を提案

日本の時計ブランドを代表す【オシアナス(OCEANUS)】、【セイコー】、【ザ・シチズン】。いずれも長い歴史を持ちながら、最新技術とデザインで新たな価値を追求する。月明かりの夜の海を表現したオシアナス、腕時計の可能性を探るセイコー、そして未来への飛翔をテーマにしたザ・シチズン。ブランドごとに新作を紹介する。

上下で異なる江戸切子を施したサファイアガラスを採用

 

アナログ電波ソーラーウオッチ「オシアナス」のプレミアムライン“OCEANUS Manta(オシアナス マンタ)”の新作として、ベゼルに江戸切子を施し、月明かりが差し込む静かな夜の海を表現した「OCW-S7000CN-1AJF/OCW-SG1000CN-1AJR」を11月14日(金)に発売する。同社は「驚きを身近にする力で、ひとりひとりに今日を超える歓びを」というパーパスのもと、人々の時間に寄り添う製品づくりを進めている。“OCEANUS”は誕生から20年、精密な時刻とエレガントなデザインを追求しながら、常に新たな挑戦を重ねてきたブランドである。

今回登場する「OCW-S7000CN-1AJF/OCW-SG1000CN-1AJR」は、淡い月光に照らされた海面をイメージした限定モデルだ。江戸切子職人・三代秀石 堀口徹氏監修のもと、「千筋」と呼ばれる技法で一本一本丹念にカットを施している。ベゼル上部に放射状に刻まれた千筋は月の柔らかな光を、下部の水平線状の千筋は穏やかな海面に反射する光の揺らめきを表現する。サファイアガラスの多角面カットが、波間にきらめく光を想起させる仕上がりだ。ブラックからシルバーへのグラデーション蒸着により、モノトーンで統一した上質な印象を演出。深みのあるブラック文字盤には、月面を思わせる微細な凹凸加工を施し、砂目調の質感を実現している。

「OCW-SG1000CN-1AJR」には、高照度下での耐久性と充電効率に優れるガリウムタフソーラーを搭載。裏蓋には月面をモチーフとしたエンブレムを刻印し、幻想的な世界観をより一層際立たせた。光の角度や強さによって表情が変わり、腕を傾けるたびにブラックと調和したブルーが繊細に輝く本作は、オシアナスが貫く精緻さと美の融合を体現した限定モデルである。

オシアナス「OCW-SG1000CN-1AJR」 68万2000円/クオーツ(ガリウムタフソーラー)。チタンケース&ブレスレット、サファイアクリスタル風防(内面無反射加工)。直径43mm、厚さ11.7mm。質量99g。10気圧防水。世界限定400本。2025年11月14日(金)発売予定。

 

問い合わせ先:カシオ計算機 お客様相談室 TEL. 0120-088925(時計専用) https://www.casio.com/jp/watches/oceanus/

 

「パワーデザインプロジェクト」新コレクションを発表

 

セイコーは、腕時計の新しい可能性を提案する<セイコー パワーデザインプロジェクト>のコレクションを発表した。第1弾は12月5日(金)発売予定で、価格は5万600円(税込)~。各モデル世界限定500本の展開である。

1881年の創業以来、セイコーは常に挑戦の歴史を刻んできた。懐中時計が主流だった大正初期から腕時計の時代を見据え、1913年には国産初の腕時計「ローレル」を完成。以降100年以上にわたり革新を続けている。その精神を今に受け継ぐのが「パワーデザインプロジェクト」だ。セイコーウオッチのデザイナーが主体となり、2001年に始動。2009年まで続いた後、2022年に13年ぶりの復活を果たした。腕時計の楽しさや可能性を多角的に探り、新しい価値を生み出すことを目的としている。復活後の第1弾となった2022年のテーマは「REBIRTH(リバース)―転生―」。セイコーの歴史を象徴する7本の腕時計をデザイナーが再解釈し、新たな姿として提案した。今回、その中の1本が正式にセイコーブランドの新コレクションとして登場する。

菅沼佑哉氏が手がける1984年モデルの再構築

デザインを担当したのは、セイコーの菅沼佑哉氏。彼が着目したのは、1984年に「セイコー ティセ」から発売されたブレスレットウオッチだ。当時、世界初のクオーツ腕時計(1969年)を経て、さらなる小型化を追求していたセイコーは、「アクセサリーのようにゆったりと着ける」という新しい価値観を提示。「ルーズフィット」と呼ばれるスタイルを提案した。新作は、当時の小ぶりなサイズ感と軽やかな着け心地を受け継ぎつつ、現代の感性に調和するデザインに進化している。時計本体と12時側の大きなコマを同サイズで設計し、一体感を演出。アシンメトリーに配したブレスレットデザインは、多様な価値観が共存する時代にふさわしい。6時側から3つ目のコマには、多面カットによる輝きを加え、遊び心を添えている。

さらに、12時側のコマにはヘアラインと鏡面仕上げを組み合わせ、柔らかなフォルムの中に繊細なコントラストを生み出している。カラーはシルバー、ブラック、ゴールドの3色展開。全12箇所にインデックスを配し、文字盤カラーに合わせた鏡面仕上げの針を採用することで、視認性と美観を高めた。

特設サイト:https://by.seiko-design.com/powerdesignproject2022/

セイコー「セイコー パワーデザインプロジェクト」 Ref.SSEH021 5万600円/クオーツ。ステンレススチールケース&ブレスレット、ハードレックスガラス。直径20.2mm、厚さ6.7mm。日常生活防水。世界限定500本(国内200本)。

 

問い合わせ先:セイコーウオッチお客様相談室 TEL.0120-061-012 https://www.seikowatches.com/jp-ja/

 

ブランド30年の節目に「未来への飛翔」をテーマとした2モデル

 

シチズンは、卓越した精度と品質を追求する高級ウオッチ【ザ・シチズン】の誕生30周年を記念し、自社開発ムーブメントを搭載した2つの限定モデルを発表した。メカニカルモデル「NC0201-54A」と、高精度年差±5秒エコ・ドライブモデル「AQ4100-57C」は、2025年11月より順次発売される。

ザ・シチズンは、時計の本質を見つめ続けてきたブランドである。誕生30周年を迎える今年、その節目を象徴するテーマとして「未来への飛翔」を掲げ、異なる2つのムーブメントを搭載した記念モデルを展開する。メカニカルモデルには、自社製機械式ムーブメントCaliber 0200(Cal.0200)を搭載。時間精度の持続性に優れるフリースプラング方式を採用し、平均日差-3~+5秒というクロノメーター規格を超える精度を実現している。一方、エコ・ドライブモデルには、年差±5秒の高精度を誇る光発電ムーブメントCal.A060を搭載。パーペチュアルカレンダー機能に加え、衝撃検知機能や針自動補正機能など、実用性を高める独自技術を備えている。

イーグルが舞う象徴的な文字盤デザイン

両モデルの文字盤には、「ザ・シチズン」のシンボルである“イーグル”の羽ばたきを思わせるパターンを採用。メカニカルモデルのアイボリー文字盤は、艶を抑えた質感に電鋳パターンが調和し、静謐な力強さを感じさせる仕上がり。一方、エコ・ドライブモデルではメタリックな質感と透明感が際立ち、奥行きのある輝きを放つ。

メカニカルモデルは、ラグを排した大胆な面構成が特徴。ヘアライン仕上げのステンレスケースとバンドにミラー仕上げの輝きを差し込み、精緻な造形美を演出している。裏蓋にはリミテッドエディションナンバーを刻印。エコ・ドライブモデルは、軽量で耐傷性に優れたスーパーチタニウム™をケースとバンドに採用。38.3mm径のコンパクトなケースに、デュラテクトプラチナの明るく上品なトーンが映える。

文字盤とリューズには、「ザ・シチズン」の象徴である“イーグルマーク”が存在感を放っている。これは「常に先を見据え、理想を追求する」姿勢と、「身に着ける人に永く寄り添う」意志を表すシンボルだ。

ムーブメントの背景にある技術と哲学

キャリバー0200は、日本とスイスの時計製造文化を融合させた自社製ムーブメントである。2012年、シチズンはスイスのラ・ジュー・ペレ社をグループに迎え、技術交流を通じて完成させた。その精度と審美性は、ブランドの理想を体現している。キャリバーA060は、光発電技術を核にした年差±5秒のエコ・ドライブムーブメント。パーペチュアルカレンダーを搭載し、2100年2月28日まで日付修正が不要という高い完成度を誇る。強い衝撃から針ズレを防ぐ独自の検知機能と、0時ジャストで切り替わるカレンダー更新機能も備える。

ザ・シチズン「30周年記念限定モデル メカニカルモデル Caliber0200」 Ref.NC0201-54A 71万5000円/自動巻き(Cal.0200)、約60時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット、サファイアクリスタル風防(クラリティ・コーティング)。直径40mm、厚さ10.9mm。5気圧防水。特定店限定モデル。世界限定300本。2025年12月11日(木)発売予定。

 

問い合わせ先:シチズンお客様時計相談室 TEL.0120-78-4807 https://citizen.jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

Text/平野翔太(WN編集部)

TAG

人気のタグ