190年以上の歴史を誇るスイスのウオッチブランド【ロンジン（LONGINES）】がニューモデルを発表した。1967年登場の高振動モデル「ウルトラクロン」の復刻版となる「ウルトラクロン クラシック」がリリース。2サイズ展開で、価格は54万1200円～。
高振動モデル「ウルトラクロン」を現代的に再解釈
ロンジンは、一世紀以上にわたりハイビート（高振動）技術の分野を牽引してきた歴史を持つ。1910年には1/10秒を計測できる5Hzストップウオッチの特許を取得し、その後も精度向上への取り組みを継続。1959年には天文台クロノメーター「キャリバー360」によって腕時計として初の高振動ムーブメントを実現し、その成果は1967年に誕生した一般向け高振動モデル「ウルトラクロン」へと結実した。このモデルは、精度の追求をブランドの中心に据えるロンジンの姿勢を象徴する存在となった。
今回発表された「ウルトラクロン クラシック」は、この初代「ウルトラクロン」を現代的に再解釈した復刻モデルだ。ケース径は37mmと40mmの2サイズを展開し、どちらも厚さ11mm以下に抑えたスリムな薄型設計が特徴。シルバーのドーム型サンレイダイアルはオリジナルの意匠を忠実に継承し、アプライドのシルバーポリッシュ仕上げのインデックスと針が落ち着いた気品を表現。また、3時位置の当時の書体を再現した台形型日付け表示、6時位置の「ULTRA-CHRON」のアプライドロゴなど、本機ならではのディテールも見どころとなる。ケースバックにも、このロゴの刻印と「CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFIED」の文字を見ることができる。
ベルトは、ステンレススチール製とレザー製の2種類を用意する。まず、ステンレススチール製ブレスレットは、オリジナルモデルの溝模様から着想を得たデザインを採用し、サテン仕上げとポリッシュ仕上げを交互に施すことで、フォルムの造形美を強調。マイクロアジャスト機能を備えたダブルセーフティ・フォールディングクラスプにより、細かなフィット調整と安定した着用感を確保する。一方、ブラックのレザー製ストラップには、当時のデザインコードを踏まえたステンレススチール製ヘリテージ・ピンバックルを採用し、現代的な機能性と往年の意匠を自然に結びつけている。
ロンジン専用ムーブメント「キャリバーL836.6」
「ウルトラクロン クラシック」は、オリジナルモデルと同様に毎時3万6000振動（5Hz）を誇る自動巻きムーブメント「キャリバーL836.6」を搭載している。このメカは2022年に登場した高振動仕様であり、ロンジンが追求してき高精度の系譜を継ぐ存在だ。毎秒10振動という高い振動数が、姿勢差や衝撃、加速度といった外的要因に対して歩度を素早く安定させ、一定した精度を保つことに寄与。シリコン製ヒゲゼンマイをはじめとする耐磁性素材を採用しており、ISO764規格を上回る耐磁性能も備える。
さらに本機は、ムーブメント単体ではなく“完成した時計”として精度試験を受けている点も特徴だ。ジュネーブの独立試験機関 TIMELABによるクロノメーター認定は、ISO3159規格に基づき、組み上げられた個体に対して15日間の検証を行うプロセスをとる。8℃、23℃、38℃という異なる温度環境下で、複数の姿勢における歩度を総合的に判定することで、実用の場で求められる精度が確かめられているのだ。
高精度を軸に据えながら、洗練されたデザイン性も兼ね備えた「ウルトラクロン クラシック」は、ロンジンというブランドの歴史と技術を見事に体現するタイムピースだ。歴史的背景を内包するストーリー性も大きな魅力となり、多くの時計愛好家の琴線に触れる特別な一本といえるだろう。
ロンジン「ウルトラクロン クラシック」 Ref.L2.937.4.72.6 55万7700円／自動巻き（Cal.L836.6）、毎時3万6000振動、約52時間パワーリザーブ。ステンレススチール製ケース＆ブレスレット。サファイアクリスタル（両面多層反射防止コーティング）。直径40mm、厚さ10.95mm。5気圧防水。
ロンジン「ウルトラクロン クラシック」 Ref.L2.537.4.72.2 54万1200円／自動巻き（Cal.L836.6）、毎時3万6000振動、約52時間パワーリザーブ。ステンレススチール製ケース、レザーストラップ。サファイアクリスタル（両面多層反射防止コーティング）。直径37mm、厚さ10.95mm。5気圧防水。
問い合わせ先：ロンジン／スウォッチ グループ ジャパン TEL.03-6254-7350 https://www.longines.com/jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。
Text／三宅裕丈
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