2018年新作ウオッチのトレンドを、デザインや素材別に紹介していく本企画。第4回目は「ダイアル編」。
20世紀初頭に腕時計が誕生して以来、様々なデザインの文字盤が作られ続けています。
いまだ多くのブランドがサプライヤーに頼るなか、自社やグループ内に文字盤工房を構えるブランドは
文字盤の質感が急上昇中。立体的な造形や美しい色表現など、年を重ねるごとに進化を遂げています。
なかでも際立つのがゼニスの「デファイ クラシック」。アヴァンギャルドなオープンダイアルを発表し、既存のエリートキャリバーのシックなイメージを覆しました。
オメガは、新型のダイバー300Mにセラミック文字盤を採用。海辺の強い日差しを受ける文字盤の劣化を防ぐための工夫が見られます。その質感の高さと魅力的な価格はビッグブランドならでは。
早速、そんな注目ブランドの腕時計を中心にご紹介します!
<エリートキャリバーの新たな可能性を開拓>
・ゼニス「デファイ クラシック」
1994年に作られたゼニス初のCAD設計による薄型自動巻きキャリバー「エリート」搭載モデル。
オープンワークダイアルからエリートのテンプの動きを楽しめます。
ブリッジにも趣向を凝らし、アヴァンギャルドな雰囲気に仕上がっています。
<セラミックダイアルで経年劣化を確実に防ぐ>
・オメガ「シーマスター ダイバー 300M マスター クロノメーター」
1993年に登場し、絶大な支持を誇る「シーマスター ダイバー 300M」がフルリニューアル。
文字盤のデザインは初代モデルに採用されていたウェーブパターン(波模様)を復活。
デイト表示は3時位置から6時位置に変更されました。
セラミックベゼル上のダイビングスケールにはエナメルを使用。そのこだわりは圧巻です。
<歴代モデルの復刻版はトレンドカラーのグリーン>
・グラスヒュッテ・オリジナル
「シックスティーズ・パノラマデイト」(左)「シックスティーズ」(右)
1960年代のスピリットに着想を得た「シックスティーズ」コレクションの新作は、グラデーションのグリーン文字盤が目を引く逸品です。
60tのプレス機により複雑なギヨシェ模様が刻み込まれたダイアルは、自社の文字盤工房で製作。
2タイプ共に1年間の期間限定発売です。
<10層以上も塗り重ねたラッカーが醸し出す上質感>
・IWC「IWC トリビュート・トゥ・パルウェーバー“150イヤーズ”」
創業150周年の節目に、1884年に開発したデジタル表示式ポケットウオッチを復刻。
IWCの創業者である時計職人「F・A・ジョーンズ」への敬意の表明として、デジタル表示窓に「HOURS」と「MINUTES」の文字を表記しています。
文字盤は最大12層も塗り重ねたラッカー仕上げ。エナメルのように艶やかな美しい輝きを放ちます。
<美しく煌めく文字盤が薄型エレガンスを強調>
・A.ランゲ&ゾーネ「サクソニア・フラッハ」
同社最薄の2針手巻き時計の新型ウオッチは、「less is more」(より少ないことは、より豊かなこと)の精神に則り一切の無駄を削ぎ落とした美しいデザイン。
シルバー無垢の盤面にブルーゴールドストーン(紫金石)の層を薄く重ねたダイアルは、夜空に輝く星々を連想させる深い青と煌めく光沢が特徴的です。
<海外勢も注目!日本の伝統技法>
スイスの時計作りと同じく、日本にも様々な伝統技法があります。
そのなかから宝飾品となり得る技法がにわかに注目を集めており、実際に文字盤の装飾に応用しているブランドが現れてきました。
・ブランパン
ブランパンはユニークピースに備長炭を使用。その上にある彫金のモチーフは、厳島神社です。
・ブルガリ
ブルガリは、フィニッシモ ミニッツリピーターを搭載したディーバの文字盤に蒔絵技術を使用しています。