スイスの高級時計ブランド【ジラール・ペルゴ(GIRARD-PERREGAUX)】が、新開発の自社製ムーブメント「キャリバー GP9530」を搭載するニューモデル「ミニッツリピーター フライングブリッジ」を発表した。価格は8739万8300円という、まさにオートオルロジュリー(高級時計製造)の到達点ともいえるタイムピースとなっている。

ミニッツリピーター搭載の超複雑ムーブメントを新開発
ジラール・ペルゴが歩んできた230年以上の歴史は、常に技術の限界を押し広げ、時計製造を芸術の域へと昇華させてきた軌跡である。昨年10月の「キャリバー GP4800」発表からわずか半年足らずという驚異的なスピードで、自社製ムーブメント「キャリバー GP9530」を完成させた。
1820年代からブランドを象徴してきたミニッツリピーター、トゥールビヨン、そして革新的な自動巻き機構を組み合わせたこの新ムーブメントは、475個もの精密な部品で構成されている。組立と装飾には440時間以上という膨大な時間が費やされ、構成パーツには手作業で1340か所(うち295か所は内角)もの面取りが施された。毎時2万1600振動のリズムを刻み、ホワイトゴールド製のマイクロローターによって効率的な巻き上げと約60時間のパワーリザーブを実現している。
澄み切った音色を響かせるための徹底したアプローチ作成
また本作の開発において、ブランドが特に注力したのはミニッツリピーターの音色である。時刻を音で知らせるだけでなく、その響きの純度、広がり、共鳴をいかに高めるか。この課題に対し、熟練の時計職人たちは緻密な計算に基づいた革新的な構造を採用した。
音の伝播を阻害するノイズを徹底的に排除するため、ゴングとゴングスタッドを単一の金属片から削り出し、遠心力による打撃調整装置をムーブメントの背面に配置。さらに、地板とブリッジの素材には軽量かつ剛性に優れたチタンを採用した。この複雑な機構の安定性を保つため、地板をケースへ直接固定する手法を用いて強固に連結。これにより、音のエネルギーを逃すことなくピンクゴールド製のケース全体を共鳴箱として機能させ、ケース両側のドーム型サファイアガラスを通じてハンマーが奏でる透明感あふれるメロディを周囲に響かせることに成功している。

宙に浮く「フライングブリッジ」と竪琴型のトゥールビヨンケージを配置
視覚的な美しさにおいても、本作はジラール・ペルゴのDNAを色濃く反映している。1800年代半ばから続く象徴的な「スリー・ブリッジ」の構造を、モダンな「フライングブリッジ」として再解釈した。3本のピンクゴールド製ブリッジは、あたかも複雑な機構が宙に浮いているかのような軽やかな印象を与え、完璧な対称性を保つオープンワーク構造が、細部まで磨き上げられた面取りの輝きと奥行きのある立体感を際立たせている。
6時位置には、19世紀から受け継がれる竪琴型のトゥールビヨンケージを配置。スモールセコンドとしての役割を担いながら、悠然たる動作で時を刻む。また、実用面における進化も見逃せない。新設計のモノブロック・ミドルケースにはアロー型のスライドピースがシームレスに統合されており、防水性を損ないやすいリピーターの操作系でありながら、30mの防水性能を確保している。
伝統を重んじながらも、常に未来を見据えて進化を続けるジラール・ペルゴ。「ミニッツリピーター フライングブリッジ」は、単なる腕時計の枠を超え、2世紀以上にわたり紡がれた技術と感性が共鳴する至高の芸術品である。機械式時計を愛する者ならば、一度は目にしておきたい傑作だ。

ジラール・ペルゴ「ミニッツリピーター フライングブリッジ」 Ref.99840-52-2013-5CC 8739万8300円/自動巻き(Cal.GP09530-2198)、毎時2万1600振動、約60時間パワーリザーブ。ピンクゴールドケース(シースルーバック)、ラバーストラップ。直径46mm、厚さ17.9mm。30m防水。
問い合わせ先:ソーウインド ジャパン TEL.03-5211-1791 https://www.girard-perregaux.com/jp_jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/三宅裕丈
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