時計を愛してやまないユーザーのリアルな実態を調査すべく、全国有名正規時計販売店に突撃する本企画。
第5回目は「トミヤ タイムアート店」。
岡山の老舗である同店は、本拠地である表町に多店舗展開しており、多くのブランドを回遊できるとあってコアな時計好きにもファンが多数。
見たい時計を次から次へ見られる愉悦を味わえる同店の魅力に迫ります!
İ.Bさんは、10年ほど前に機械式時計の世界にのめりこんだそうで、元々根っからの機械好き。
アートトラックからジェットスキーまで、色々な趣味をお持ちで凝り性。
トミヤでの担当は、トミヤ本店の坪田さんで、6〜7年のお付き合いだそう。
すでにİBさんの好みは把握しており、新作が出ると彼のところで一端セレクトされたものがİ.Bさんの元へ連絡されるといいます。
坪田:İ.Bさんとは、私が入社したころから担当させていただいているお付き合いです。当初は毎月宿題をいただいて、注目されている時計の入荷情報や私の主観などお伝えしていました。
B:当時は集め始めて間もなかったということもあって、同時に検討しているモデルもたくさんあったね。
坪田:大体、月に1本以上は買われていた印象です。最初はブライトリングに熱心で、僕が担当になる前ですがナビタイマーが1本目の時計でしたよね?
B:歴史があるブランドがすきなので、オメガとかにも興味がありましたね。伝統的に積み重ねているものがあるというのは、どの業界でもすばらしい。
時計は止めてしまうことがないように、常に巻き上げています。自動巻きはワインダーにいれ、手巻きのものは毎朝リューズを巻くのが日課です。クルマも走ることが前提のモノなので、乗らなければ調子が悪くなります。時計も同じで、毎日着けることが前提ですから、動かし続けることは当然です。
坪: 奥様の時計も一緒に巻かれるんですよね?
B:そう(笑)。歯磨きと同じくらいの習慣で、1日の始まりのリセットになっているよ。
坪田:オーバーホールの時期の順番にコレクションを管理されているので、こちらからお声がけしなくてもI.Bさんは適切な時期にメンテナンスにいらっしゃいます。ここまでされる方はなかなか珍しいですね(笑)
B:1つだけでなく、すべての時計が自分の人生を共に歩んでいるからね。だから、止めることはしたくないんです。
もともとはデザイン先行で、エルメスやブライトリングの時計が好きでした。よりメカメカしいものを好んでいましたが、時計のランクもステップアップしていくうちに、価格と精度は比例するなと学びまして。
いまも、時計を選ぶときはまずフィーリングを大切にしていますが、次に精度の高さが気になります。
坪田:珍しく同一ブランドで3本以上購入されているのも、精度に定評のあるジャガー・ルクルトとショパールですね。
B:経験上とにかく精度が高いのはルクルトです。また、ショパールは精度もさることながら、L.U.Cに対する経営陣の覚悟に惹かれました。”株主の顔色を窺っているようでは、この時計は作れなかった”という言葉にはシビれましたね。
精度を追い求めると、その象徴としてやはりトゥールビヨンが魅力的。かのブレゲ再興にも携わり、いまなお存命のダニエル・ロートさんの1本は夢の領域ですね。