【パネライ】「ラジオミール」&「サブマーシブル」の最新作が体現する海洋との深い関係性

イタリアの名門時計ブランド【パネライ(PANERAI)】が、1936年に建造されたクラシックヨット「アイリーン号」の90周年とクラシックレガッタ競技への復帰を記念する「ラジオミール ブロンゾ」と、現代の過酷な環境下での使用を前提に最先端技術を投入した「サブマーシブル GMT」の2作を発売。いずれも、長年にわたり築いてきたブランドと海洋との関係性を色濃く示す特別なモデルとなっている。

アイリーン号の歴史と現在を称える「ラジオミール ブロンゾ」

「ラジオミール ブロンゾ」は、クラシックセーリングの世界とパネライの原点を結び直す象徴的なモデルだ。アイリーン号は1936年、スコットランドの名門造船所ファイフ・オブ・フェアリーによって建造された木造ヨットで、パネライはその修復およびレガッタ参戦を長年にわたり支援してきた。本機は、アイリーン号が90周年を迎えたこと、そして再び地中海のクラシックレガッタ・サーキットへ復帰する節目を祝うために製作された。

直径47mmのブロンゾ製ケースは、1935年にイタリア海軍向けに開発されたRef.2533に由来するラジオミールケースの造形を継承。ワイヤーラグを備えた端正なフォルムが、軍用時計としての出自を静かに物語る。パネライ独自のブロンゾ合金は、使用環境に応じて自然な緑青を形成する特性を持ち、新品時には温かみのある金色を帯び、時間の経過とともに表情を変えていく。その変化は、オーナーに時計を育てるという感覚をもたらすものでもある。文字盤には、粒状の仕上げを施したグラデーショングリーンのダイアルを採用。夜光塗料を施したアラビア数字とインデックスが配され、青焼きスティール針との組み合わせによって、往年の海洋計器を想起させる表情を獲得した。ドーム型の風防にはアクリルクリスタルを装着し、初期の軍用ダイバーズを思わせる佇まいを強調するが、一方で実用面への配慮として交換用のサファイアクリスタル風防が付属する点も現代的なアプローチといえる。

パネライ製の手巻きムーブメント「キャリバーP.3000」

時計の内部には、自社製の手巻きムーブメント「キャリバーP.3000」を搭載。16½リーニュという大型サイズは、かつて懐中時計用ムーブメントを転用していたパネライの歴史を反映したもので、幅広のブリッジと太いネジによる堅牢な構造が特徴だ。2香箱の構成により72時間のパワーリザーブを確保し、時針を1時間単位で前後に調整できるクイックチェンジ機構を装備。防水性能は10気圧で、日常使用に十分対応する実用性が与えられている。

500m防水を誇る本格派ダイバーズ「サブマーシブル GMT」

一方、「サブマーシブル GMT」は、パネライがプロフェッショナルツールとしての時計作りを現在進行形で進化させていることを示すモデルだ。ケースは直径47mmのグレード5チタン製で、ミドルケースにDMLS(直接金属レーザー焼結)技術を採用。中空構造とすることで軽量化を図りながら、高い剛性と耐腐食性を両立している。サンドブラスト仕上げの外装と、マットブルーのセラミックディスクを組み合わせた逆回転防止ベゼルが、無駄を削ぎ落とした実戦的な外観を見事に作り上げている。

GMT機能はAM/PM表示付きの12時間表示で、オレンジカラーのGMT針が第2時間帯を表示。現地時間の時針は1時間単位で独立調整が可能となっており、移動時の操作性を高めているほか、リュウズを引くことで秒針が停止・リセットされるセコンドリセット機構も備え、正確な時刻合わせを行うことができる。スケルトン構造でありながら、防水性能は50気圧(水深500メートル相当)を確保し、パネライが実施する多段階の防水試験によって、その性能が裏付けられている。夜光表示にも明確な意図が込められており、分針とベゼルのドットはブルーに、その他の針とインデックスはグリーンに発光する配色を採用。潜水経過時間の判読性を最優先した設計思想が貫かれている。さらに、ブルーのラバーストラップとチタン製の台形バックルが、ツールウオッチとしての完成度をいっそう高めた印象だ。

「サブマーシブル GMT」の内部には、自動巻きスケルトンムーブメント「キャリバーP.4001/S」を搭載。構成部品数は341個、2香箱による72時間パワーリザーブを備え、オフセンターに配置されたタングステン製マイクロローターによって、巻き上げ効率と視認性を両立したムーブメントだ。最大の技術的特徴は、特許取得済みの偏光日付表示だ。透明なデイトディスクと偏光ウインドウを組み合わせることで、ムーブメントを視覚的に妨げることなく、日付のみを明瞭に表示する独自の構造を実現している。

パネライの豊かな歴史を確かな基盤とした2つの新作

「ラジオミール ブロンゾ」と「サブマーシブル GMT」は、外観やコンセプトにおいて対照的な個性を備えながらも、いずれも過酷な海の環境と真正面から向き合ってきたパネライの歴史を確かな基盤としている。前者が素材の経年変化を通して時間の積層を味わう存在であるなら、後者は現代の使用環境や機能的要求に即応するための進化形と言えるだろう。どちらを選んでも、ブランドの揺るぎない誇りと思想を、その腕元で確かに感じ取ることができるはずだ。

パネライ「ラジオミール ブロンゾ」 Ref.PAM00760 298万1000円/手巻き(Cal.P.3000)、毎時2万1600振動、72時間パワーリザーブ。ブロンゾ(CuSn8)製ケース(シースルーバック)、カーフストラップ。直径47mm。100m防水。

パネライ「サブマーシブル GMT」 Ref.PAM01495 749万1000円/自動巻き(Cal.P.4001/S)、毎時2万8800振動、72時間パワーリザーブ。チタン製ケース(シースルーバック)、ラバーストラップ。直径47mm。500m防水。

 

問い合わせ先:オフィチーネ パネライ TEL.0120-18-7110 https://www.panerai.com/jp/ja/home.html ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

Text/三宅裕丈

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