【メカニケ・ヴェローチ徹底解剖】CEOスペシャルインタビューからICON新作コレクションまで一挙大公開!

チェザレ・チェリートCEO SPECIAL INTERVIEW

「私自身がメカニケの大ファン!クオリティを高めながらDNAをより強化していきます」

金融界でバンカーとして成功後、メカニケ・ヴェローチに惚れ込みM&Aを経て2015年から現職。腕にロゴのタトゥーを入れるなどメカニケ一途に。4歳と6歳の子供の良きパパでもある

2006年創業以来のDNAであるエンジンに対する情熱と、イタリアらしい心躍るデザインに、スイスの時計製造技術を融合した現在のメカニケ・ヴェローチ。原点を大切にしながら、さらなる飛躍を期すチェザレ・チェリートCEOに話を聞いた。

ついに完成した自社製ムーブメント

長身でスマート、爽やかで知的な雰囲気を漂わせるイタリア人。チェザレ・チェリートCEOは、まさにメカニケ・ヴェローチを象徴する好人物だ。
「新しいアイコン、見ていただけました? ラ・ショー・ド・フォンの一流サプライヤーと共同開発したオリジナル・ムーブメントをはじめ、粘り強く準備してきた努力がやっとむくわれました。我々はこのモデルで新しいスタートを切ります」目を輝かせながら新製品の魅力を説明するチェザレ氏の表情からは、メカニケを心から愛していることが見てとれる。

「メカニケはイタリアンデザインで注目されていますが、現在の本社はスイスのジュネーブにありますし、本格的なウオッチ
メイキングに取り組んでいます。〝イタリアの感性〞と〝スイスの品質〞の融合を目指し、そのシンボルとなったのが、新作のアイコンです。ここ数年、腕時計に対する市場の要求レベルが上がっているのを感じており、デザインだけでなく、今後は搭載ムーブメントの価値もアピールしていくつもりです」

二輪ロードレースのスーパーバイク選手権や、コアなファンが多いカレラカップなどもサポートしてきた

もともと同社は、素材やモータースポーツコンセプトへの徹底したこだわりから生まれたイタリアの時計ブランド。〝速い
機械〞の意味を持つブランド名には、同社のコンセプトが色濃く表れている。シリンダーヘッドをモチーフに、4つの穴に4つのムーブメントを収めた「クアトロヴァルヴォレ」で2006年に鮮烈デビューを飾ると、瞬く間に世界中へマーケットを拡大し、2008年に初上陸した日本でも、独創的なデザインが話題を集めた。

ピストン(右)を時計のケースに持ち込むという大胆なアイデア。もちろんピストンリングの溝付き

2015年、新CEOに就任する際、「ブランドのDNAを、より強化する決意をしました。原点に戻るということです」と語ったチェザレ氏。「ピストン型のケースや、エンジンへの強い情熱を持ち続けたい。ヴィンテージカーのレストアを楽しむ世界観を大切にしたいですね。我々はラグジュアリーではなく、ハイエンドを目指します。つまり、高品質なモノ作りです」

4バルブエンジンのシリンダーヘッドを象った初代クアトロヴァルヴォレのケース

そんな時計製造に真摯に取り組むブランドの姿勢を明示したのが、2018年発表の新キャリバーMV8880である。前出のオリジナル・ムーブメントにトゥールビヨンを搭載し、4つの独立したダイアルのひとつでキャリッジが回転する複雑時計「クアトロヴァルヴォレ トゥールビヨン」によって、メカニケはブランドポジションを確かにする大きな一歩を踏み出したといえる。

天才デザイナー、エルコーレ・スパーダ氏とメカニケがコラボしたコーダトロンカ

「我々は時計業界のメインストリームに行くつもりはありません。多くの人は、興味を持った物事について最初は王道に向かいますが、その後、自分らしいもの、個性を表現できるものを探すと思うのです。そのニッチな市場を狙うのがメカニケ・ヴェローチ。私自身もそんなメカニケの大ファンです。ユーザーの方々に愛されるよう大切に育てていきたいと思っています」

メカニケ・ヴェローチはコーダトロンカの内装を担当。ソリッドな質感が秀逸!

伝説の意匠がオリジナル・ムーブメントでパワーアップクオリティ向上のため、メカニケ・ヴェローチが創業時のイタリアメイドから、スイスメイドに移行しはじめたのは2010年。その際、デビューコレクションのクアトロヴァルヴォレは、残念ながら生産終了となった。だが、誕生から10年を経た2015年、後継モデル「アイコン」が発表される。当初は1つのケースに4つの独立したムーブメントを搭載する伝統のスタイルだったが、今秋から本格展開する新生アイコンは、革新的な1つのオリジナル・ムーブメントだけで構成されている。

2008年と2009年、エジプトの砂漠を駆け抜けるファラオラリーのスポンサーに

かつてオーパス11を制作したことで知られる超一流の時計工房と共同開発したムーブメントMV8802は、4つのダイア
ルを1つのムーブメントに完璧に統合。信頼性の高いETA2892のパーツを活かしつつ、分針部から4つに枝分かれした
輪列を通して4つのダイアルを駆動する。

ファラオラリーの二輪部門。後ろの白いアーチに、メカニケのロゴが確認できる

もちろんローターやゼンマイ、脱進機は1つだから、従来に比べてメンテナンス性は飛躍的に高まっている。
そんな内部の劇的な進化に対し、外装デザインは従来のまま。4バルブエンジンをモチーフにしたケースの意匠を受け継ぎ、スイスメイドとなって細部の仕上げは格段に向上している。しかもクルマ好きにはたまらない、心躍るイタリアンデザインだ。
機能的には4つの時間帯を表示できるが、「4タイムゾーン?」と聞かれたとき、生粋のメカニケ・ファンなら「いや、4バルブだよ」と答えてみたい。

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