〈動画付き〉体積わずか2.9cm³の小宇宙「ブランパン Lady B」可憐で、丸みをおびた、本格メカニカルウオッチが手元を彩る

1735年の創業以来、スイス伝統の時計作りを継承し続けるブランパン(BLANCPAIN)】は、現存する世界最古の時計ブランドとして知られている。クオーツ時計は作らずに機械式時計のみを貫く、という揺るぎない信念を持つ。そんな名門マニュファクチュールから、歴史的なモデルへのオマージュと偉大な先駆者への敬意を込めた新たなレディスコレクション「ブランパン Lady B」が発表された。


伝説の極小ムーブメント「Cal.R55」と女性リーダーの先駆者へのオマージュ

 

ブランパンは、量産型のラウンド機械式ムーブメントとして世界最小を誇る「キャリバーR55」を開発・製造した歴史を持つ。これを搭載し、女性用機械式時計の歴史を塗り替えたアイコニックピースが、レディバードの初代モデル「レディバード ブレット」だ。今回発表された「ブランパン Lady B」は、その傑作へのオマージュであると同時に、1930年代に女性として初めてスイスの時計メゾンを率いたブランパンCEO、ベティ・フィスターへの深い敬意を表した新コレクションとなっている。

極小サイズに宿る、偽りのない本格メカニズムと意匠

ブランパンが久しぶりに手掛けたミニマムサイズのレディスウオッチ「ブランパン Lady B」。一見するとモダンな佇まいだが、そのルーツはブランドの奥深い歴史に息づいており、シンプルでありながら数十年にわたる技術的創意を受け継ぐコレクションといえる。引き通しのレザーストラップを用いてジュエリーとしての華やかさを備える一方、極小サイズでありながらも偽りのない本格的なメカニカルウオッチである点には驚かされるばかりだ。


↑「ブランパン Lady B」は、現代における最小クラスの自動巻き機械式ムーブメントのひとつ、「マニュファクチュール キャリバー615」を搭載。直径15.7mm、厚さ3.9mmで、シリコン製ヒゲゼンマイや29石など、部品点数は180にのぼる。美しいコート・ド・ジュネーブ装飾も特徴。

 

ディテールをひとつずつ見ていこう。文字盤には、ピュアさを際立たせつつ温かみを感じさせるベージュ系のオパリンカラーとなっている。ラインナップされているステンレススチールケースと18Kレッドゴールドケースともに、この文字盤が共通で採用されている。そこにセッティングされたアプライドバーインデックスは、同社の他のコレクションと同様に贅沢なゴールド製。長さ1.82mm、幅0.39mmという極小サイズながら、上面と側面にポリッシュ仕上げを施すことで繊細に光を捉える。これによってインデックスがより立体的に浮かび上がり、時計としての美しい造形と視認性の向上に大きく貢献している。

全面にポリッシュ仕上げを施したインナーリングは、鏡のような役割を果たしている。光の反射によってケースの曲線を視覚的に拡張させ、無垢材から削り出した球体の美しさをさらに高めている。なお、リューズにはブランドロゴである「JB」のイニシャルを刻印。こうした細部への徹底した配慮も、数々の傑作を手掛けてきたブランパンならではの魅力といえる。

徹底した手作業が貫かれた体積2.9cm³の球形

直径19mm、体積にしてわずか2.9cm³という球形ケースが最大のハイライトだ。素材はステンレススチールまたは18Kレッドゴールドから選択可能だが、いずれも職人の手作業によって丹念に仕上げられている。小さく複雑な形状を持つ各面に、ポリッシュ、サテン、マイクロブラストといった異なる表面加工を施していくのだが、驚くべきは、すでに組み上げられた時計に対して順を追って行われるという徹底した作り込みであること。エングレービングにおいてもレーザーのみに頼ることはせず、ブランパンが追求するシャープさと圧倒的なクオリティを実現するべく、機械式カッターを用いた精密な手作業が貫かれている。


↑ダブルトゥールのカーフレザーストラップは、ホワイト、ライトベージュ、ダークベージュ、バーガンディ、フューシャパープル、クラシックブルーの6色から選ぶことができ、ジュエリーのように身に着けることができる。

「Lady B」の「B」に込められた3つの意味。ひとつ目は「ベティ・フィスター」

ブランパンが満を持して市場に投入するレディス向けの最新作「ブランパン Lady B」。その名称にある「B」には、3つの重要な意味が込められているという。

ひとつ目は、ベティ・フィスターの頭文字である「B」だ。彼女は1933年にブランパンのオーナーに就任し、スイスの時計ブランドを率いた初の女性となった。当時はまだ女性に参政権が認められていないなど、社会進出において困難の多い時代だったが、1968年に退任するまでその卓越した手腕でブランパンを力強く牽引した。とりわけ、女性用の機械式時計がまだ正当に評価されていなかった1956年に「レディバード ブレット」を発表し、時計界のみならず世の多くの女性から支持を集めた功績は大きい。そして、「控えめであること」「本質を備えていること」、「機械式時計製造の永続的な価値」というブランパンの揺るぎない信念を体現したことも、彼女の実績として評価されるべき。今日へと続くトラディションとなっているのだ。

ノスタルジックなバブルフォルムが象徴する「B」

2つ目は、バブル(Bubble)やバイオモルフィック(Biomorphic=有機的形態)を意味する「B」だ。大戦後の1950年代半ば、いわゆる「ミッドセンチュリー・モダン」が花開いた時代、建築やインダストリアルデザイン、自動車、ファッションは大きく変貌を遂げ、直線的な造形から有機的なフォルムへと発展していった。同時に、女性の社会的活躍が顕著になった時期でもある。そのような背景のもとで誕生した「レディバード ブレット」は、まさに時代を映し出すタイムピースであった。新作「ブランパン Lady B」は、そのユニークな球形フォルムを通じて1950年代のバイオモルフィックな意匠を受け継ぎつつ、当時の時代の精神を現代へと繋ぐ、非凡なタイムピースとなっている。

時計とジュエリーの境界を超える、ビジューの「B」

そして3つ目は、フランス語で「宝石」や「装飾品」を意味するビジュー(Bijou)の「B」である。女性らしいデザイン、絶妙なサイズ、そして厳選されたマテリアルで展開される「ブランパン Lady B」は、時計とジュエリーを巧みに掛け合わせた特異なコレクションといえる。1956年に初めて世に登場した初代レディバードがそうであったように、「ブランパン Lady B」もまた単なる時計というカテゴリーには収まらない。精緻な機械式時計であり、美しく輝くジュエリーであり、そして洗練されたデザインオブジェとしても機能する、唯一無二の存在なのだ。


ブランパン「ブランパン Lady B」 Ref.0064-1142-55A 158万4000円/自動巻き(自社製Cal.615)、毎時2万1600振動、38時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース、引き通しタイプのカーフレザーストラップ。直径19mm、厚さ13.2mm。3気圧防水。※18Kレッドゴールドケース+カーフストラップモデルは242万円

 

「ブランパン Lady B」の発表と「レディバード」70周年を祝す特別展「ザ ブランパン レディバード レガシー」が開催

女性のための機械式時計を広めるべく尽力した、スイス時計業界初の女性CEOベティ・フィスタ―。彼女が開発に携わった「レディバード」コレクションは、2026年の今年、誕生から70周年という大きな節目を迎える。この記念すべきアニバーサリーイヤーに発表された新作「ブランパン Lady B」のリリースを祝し、特別な展示イベント「ザ ブランパン レディバード レガシー」が開催される運びとなった。

ブランパンの情熱と革新の歴史が日本の伝統工芸と出会う

会場となるのは、表参道エリアの原宿キャットストリートに位置するアートギャラリー「StandBy」。同施設には1950年代に制作された極小の機械式ムーブメントをはじめ、美しい装飾や精緻な仕上げが施された歴史的なタイムピースの数々、さらには貴重なアーカイブ資料や写真が展示される。創業以来、機械式時計のみを作り続けてきたブランパンの軌跡と、革新こそ伝統という揺るぎない哲学を体感できる貴重な機会となっている。

さらに本イベントのもうひとつの見どころとなるのが、ブランパンのフレンド・オブ・ザ・ブランドを務める染織家・吉岡更紗さん(江戸時代から200年にわたり伝統技法を継承する京都屈指の染織工房「染司よしおか」の代表)による特別な展示だ。今回は「ブランパン Lady B」の洗練された世界観をヒントに、同コレクションのストラップカラーに合わせた6色の華やかなテキスタイルを特別に制作。スイスの伝統的な時計作りと、日本の歴史ある染織技法が織りなす見事な共演にも注目していただきたい。

会場:StandBy(〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5丁目11-1)
日時:2026年10月17日(土)〜25日(日) 各日11:00〜19:00(最終受付18:30)

 

問い合わせ先:ブランパン ブティック銀座 TEL.03-6254-7233 https://www.blancpain.com/ja ※価格は記事公開時点の税込価格です。

Text/山口祐也(WATCHNAVI)

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