近年、時計分野においても存在感を増大させているジュエリー&ファッションブランド。その磨き上げられたセンスは、独特なケースデザインや個性的な色使いという形で時計製造に還元されています。
たとえば、ブルガリのオクト ローマは、ローマの建築様式からインスパイアを得たもの。複雑な構造のパーツを丁寧に面取りした美しさと、時代を超えて愛されるタイムレスなデザインはブルガリにしか成し得ない技です。
今回は、そんな技術が光るジュエリー&ファッションブランドの時計を厳選3社ご紹介。正統派から個性派まで、各社の意匠が光ります。
・ブルガリ「オクト ローマ」
4つのパーツで構成されるオクタゴンケースと、シャープになった植字インデックスを組み合わせた新オクト。流麗なブレスレットもさらにしなやかになり、装着感がアップ。耐久性に優れる自社製ムーブメント「Cal.BVL191」を搭載しています。ローマの建築様式を取り入れた造形美が秀逸。
垂直統合で大きく飛躍したマニュファクチュール
本格的な時計製造は1970年代からで、1975年の「ブルガリ・ローマ」や1977年の「ブルガリ・ブルガリ」が大ヒットを記録。2000年には天才時計デザイナー「ジェラルド・ジェンタ」氏や天才時計師「ダニエル・ロート」氏が立ち上げた「ジェラルド・ジェンタ」社と「ダニエル・ロート」社がブルガリグループの傘下に。マニュファクチュール体制を敷いた後、2009年には「ウオッチメーカー」宣言を果たしました。
2014年に世界最薄のトゥールビヨンウオッチ、2017年に世界最薄自動巻きムーブメント、2018年には世界最薄の自動巻トゥールビヨンを発表するなど、時計分野での存在感は勢いを増すばかりです。
・ティファニー「CT60™ 3-ハンド 40MM」
ブルーソレイユ文字盤にゴールド調インデックスが映え、ラグジュアリーな美しさを放つ逸品。伝統のスイスウオッチメイキングにニューヨークの洗練されたスタイルを融合。正統派デザインのなかにも確かな気品が宿ります。
早くから腕時計を作ってきた名門
1853年に創業者が店舗に設置した約2.7mのアトラス彫像と一体となった時計は、現在もニューヨークの人々に親しまれるアイコニックな存在。そんな同社の時計の歴史は1847年からと古く、1854年にはジュネーブに自社工房を設立するほど。最近では2015年に「ティファニー CT60」がヒットを記録。端正なルックスと歴史に裏付けられた品質が魅力です。
・ルイ・ヴィトン「タンブール ムーン クロノグラフ LV277 ブルー」
タンブール誕生15周年を記念した2017年発表作に、エレガントでスポーティなブルーをまとった新作が登場。18KPGケースに収まるのは、毎時3万6000振動のハイビートキャリバー。ブルーの文字盤に、挿し色のイエローが効いています。
自社ムーブメントを製造できる環境を完備
2002年に時計市場に参入。以後、「旅を楽しみ、人生を楽しむモノづくり」をコンセプトにコレクションを展開しています。最初に発表された時計「タンブール」は、ぷっくりとした独特なシルエットが特徴で、現在も同社の基幹シリーズとして活躍。2014年にはジュネーブ近郊に自社工場を設立し、同年に針のないワールドタイムとして話題を集めた「エスカル ワールドタイム」を発表。自社ムーブメントを製造できる技術力で時計作りを推し進めています。