10月末日にニューヨークのSOHOで開かれたブランド創業130周年記念イベントにて、カール F. ブヘラが新作を発表しました。「ヘリテージ トゥールビヨン ダブルペリフェラル限定モデル」は、新コレクションとなる「ヘリテージ」を代表するとともに、アニバーサリーイヤーのハイライトでもあります。創業130周年の歴史と最新技術が融合した88本限定のレアピースの詳細を見ていきましょう。
創業130年の節目に登場した新コレクション「ヘリテージ」
イベントでカール F. ブヘラのサーシャ・モエリCEOは、新コレクションについて以下のように述べています。
「ヘリテージ トゥールビヨン ダブル ペリフェラル限定モデルは、カール F. ブヘラの130年にわたるサヴォアフェールを体現する時計です。私たちはこの特別な時計に誇りを持っています。なぜなら、この時計を通じて当社の長い伝統の価値を評価するとともに、ヘリテージという新しいコレクションをスタートさせることになったからです」
新しいヘリテージ・コレクションの第1弾は、創業年の1888年にちなんで88本のみの限定品となっています。18Kローズゴールド製42.5mmケースは、バロック様式に包まれた創業地スイス・ルツェルンが放つ黄金の輝きを表現。ムーブメントの18Kホワイトゴールド製ブリッジには、ランドマークのカペル橋と湖に浮かぶ白鳥の姿が刻み込まれています。この白鳥のモチーフは、町の白鳥広場のメタファー。なぜ白鳥広場かというと、こここそがカール F. ブヘラが1888年に初めて時計店を開いた場所だからです。ちなみに、現在のブティックもすぐ近くにあるそう。
驚くのは、白鳥の位置が88本の個体それぞれ違うという点。いわば全モデルがユニークピースなわけです。
ひし形のインデックスやアズラージュ模様や放射状の装飾の入ったダイアルとケースのフォルムは、1960年代に制作された数々のモデルにインスピレーションを得たものとなっています。
内部に驚きのメカニズムを秘める
ペリフェラルテクノロジーのパイオニアを自負するカール F. ブヘラですから、このスペシャルな時計にも当然、同技術が組み込まれています。
トゥールビヨンと自動巻き機構の両方を外周部で支えるという機構は、世界でも稀。目に見えない3つのボールベアリングで支えられた独創フライングトゥールビヨンを持つ自社製の自動巻きCal.CFB T3000は、エングレービングされた自動巻きコンプリケーションでありながら、厚さを4.6mmにまで抑制。これを収めるケースも11.9mmとなっています。
アンクルやガンギ車にはシリコンを使い、耐磁性、精度安定性、耐久性を向上。パワーリザーブは65時間で、COSC認定クロノメーター仕様の高精度を誇ります。そして、アイコニックなペリフェラルローターには、22Kローズゴールドを採用。ケースとの見事な調和が、時計の特別感を際立たせています。