ひと昔前、50万円以下の腕時計は社会人になって初めて購入する“一生モノ”の定番でした。それが、ここ数年のうちに人気モデルの価格が軒並み上昇。なかなか以前のようにたくさんの選択肢から本格ウオッチを購入することが難しくなっていました。ただ、そうした業界の流れに乗らずに価格を維持するブランドもありますし、最近では戦略的に50万円以内に価格を抑えたモデルも増えてきています。そして極めつけが、2018年秋からのチューダーの日本正式上陸。再び注目が集まる50万円以下の本格ウオッチを手がけるブランドのなかから、今回はボール ウォッチを取り上げます。
ステンレススチールとチタンを融合した新世代ダイバーズ
サブマリン ウォーフェア クロノグラフ
外装の半分以上にチタンを採用することで重量を抑えつつ、ブレスレットの中ゴマとベゼルにステンレススチールを使って堅牢性と硬質感を高めたハイスペックモデル。
精密なクロノグラフ機構を備えながら、独自の「アモータイザー耐衝撃ムーブメントホルダー」を採用するなどして高さ1.5mから自由落下で木の床に落としたときに受けるのと同等の衝撃に耐える、7500Gsの耐衝撃性能を有しています。文字盤には自発光「マイクロ・ガスライト」を合計23個備え、昼夜を問わず高い視認性を確保しています。
マザーオブパール文字盤を使ったエレガント・タフウオッチ
ストークマン ストームチェイサー プロ MOP
ストームチェイサー(=研究などで竜巻や台風を追い求める人)のために開発されたテレメータースケールをそなるクロノグラフの文字盤にMOP(マザーオブパール)を採用。5000Gsの耐衝撃性能&100m防水というハイスペックでありながら、素材使いで気品溢れるデザインに仕上がっています。文字盤には合計15個の「マイクロ・ガスライト」を装備。
ブランドの歴史を感じさせる鉄道時計の名残りを愉しむ
トレインマスター スタンダードタイム
1891年よりボール ウォッチが築き上げてきた鉄道時計の伝統的な意匠を受け継ぐ一本。ボンベ形状の艶やかなダイアルや、スペード型のブルーハンドは視認性を高めるための工夫でもありました。リューズも操作感に配慮して大型設計にするなど、王道のデザインながら実用的な作り込みが随所になされています。
ボール ウォッチはかつて鉄道時計を手がけてきた時代から「高精度」「高視認性」「高耐久性」を追求し続けているブランドです。そして買い求めやすい価格も大きな特徴。鉄道の運行の安全性を高めるため、ハイコストパフォーマンスウオッチを良心的な価格で展開することで鉄道関係者に広く愛されてきたのです。こうした製品哲学を現代技術で表現することで、ボール ウォッチはいまも驚くほど堅牢な機械式時計を作り続けているのです。