1983年(昭和58年)、カシオ計算機の羽村技術センターで開発された革新的な腕時計が披露されました。“自由落下=重力(Gravity)に耐える”耐衝撃性能を持つことから「G-SHOCK」と名付けられたその腕時計は、“腕時計は落としたら壊れる”という世界的な常識を打ち破ったのです。その後、1990年代に日本で爆発的なブームを巻き起こしたG-SHOCKは、日本の平成史を語るうえで外せない重要なアイテムといえるでしょう。誰もが一度は手にしたであろうこの革新の腕時計の変遷を、平成最後の年の初めに振り返ってみたいと思います。
平成時代にブームを巻き起こしたG-SHOCK
G-SHOCKが発売された1983年当初、日本ではまだまだ薄型クオーツウオッチが隆盛を極めていました。そのため大型で無骨なG-SHOCKは日本の時計市場で上手く軌道に乗れず、不遇の時代を送っていました。その一方、北米では早くからその革新性が認められていきます。いまに至るG−SHOCKの方向性を決定付けたのは、1980年代後半の北米でボードカルチャーを愛するストリートの人々に愛用されたこと。折しもアメカジブームに沸く日本で、G-SHOCKは逆輸入的に人気を博していきます。
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1987年に発売されたDW-5600Cの配色を採用したクラシックモデル
そこからのブームは、もはや社会現象と呼べるほどに加熱。限定品は軒並み定価以上の高額で取引され、熱狂的なコレクターが発売日に時計店の店頭に並ぶことも少なくありませんでした。
当時、とくに高額で取引されていたのはキアヌ・リーブス主演の映画『スピード』で主人公が着用していたことから“スピードモデル”と呼ばれたスクエアG-SHOCKや、とくに個性的なデザインと本格防水性能を備えたフロッグマン。さらに“3つ目”モデルのDW-5900やアナログ、イルクジ、ジェイソン、ラバコレなど、数え上げればキリがありません。
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防水性能に特化した200m潜水用防水を誇るダイバーズG-SHOCK
技術的な急成長とともにブームが再燃
2000年前後に一大ブームが収束すると、G-SHOCKは飛躍的な技術革新を遂げていきます。ソーラー駆動や電波受信に対応したモデルが増え、バラエティに富んだ耐衝撃構造で大型化や薄型化などの発展型も登場。先述のフロッグマンを含む現在のMaster of Gへと続く、極地特化型のG-SHOCKも数を増やしていきます。
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速度計測機能を備えたビッグケースモデルGA-110の定番カラー
ラウンドタイプのメタルベゼルを特徴とするベーシックな小型のアナデジ機
そうした時計メーカーとしてのカシオの技術的蓄積を発揮したマイルストーンプロダクツが、誕生25周年となる2007年に発表された27万円(税抜)のG-SHOCK「MR-G」。フルメタルの耐衝撃ウオッチとして1996年に誕生したこのMR-Gの進化が象徴するように、G-SHOCKは平成30年の間に絶えず設計や素材、機能など、すべてにおいて進化をし続けてきたのです。
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G-SHOCKの最高峰「MR-G」特有の二層硬化処理を施した堅牢なフルメタルブラックケースに、日本古来の「赤備え」に由来する味わい深いゴールドとレッドを配色。
現在は、ファッション/アート/スポーツなどの異業種とのコラボレートは世界標準になり、世界中のどこでも正確な時刻が取得できるGPS受信対応やスマートフォンと接続できるBluetooth搭載など、次世代モデルも増えています。そうした活動に呼応するように、角型ケースでフルメタル化を実現したGMW-B5000や、アナログG-SHOCKの新定番となったMT-GやG-STEELが好調を続けています。
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初代モデルDW-5000Cの発売から35年の時を経て、「外装の進化」「構造の進化」「モジュールの進化」をコンセプトに、フルメタル化を実現した一本
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Bluetooth搭載のフルアナログソーラーG-SHOCK。メタル、樹脂、カーボンを高次元で融合させた新機軸として、好評を博している
G-SHOCKを愛する人は全員参加!
【俺たちの”センター” G-SHOCK】投票
これほど多くのラインナップを持つG-SHOCKは、2017年に累計出荷台数1億台を突破しました。これほど多くの人の手に渡ったG-SHOCKですから、多くの人にとって思い出深い一本というのがきっとあることでしょう。
というわけで、平成の終わりに最も愛されているG-SHOCKを決めるべく、【俺たちの”センター”G-SHOCK】投票を開催します! 皆さんのG-SHOCK愛溢れる一票をお待ちしています!
投票特設サイト→https://watchnavi.getnavi.jp/g-shock_35thelection
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