セイコーの高級ドレスウオッチ「クレドール」は今年、ブランド誕生45周年を迎えました。これ機に、セイコーブランドから独立したポジションとして差別化し、ブランド戦略を展開していくことが発表されました。
今後さらに、「装の美」を追求
セイコーブランドからの独立は2017年のグランドセイコーに続く、2例目となります。
クレドールは、ゴールドケースを中心とした「特選腕時計」をルーツとし、セイコーにおける高級ドレスウオッチブランドとして1974年に誕生しました。フランス語で「黄金の頂き(CRETE Dʼ OR:クレドール)」を意味するブランド名に相応しく、これまで数々の名作を世に送り出してきました。
グランドセイコーが時計として最高のパフォーマンス(用の美)を基点として進化し続けているのに対し、クレドールはドレスウオッチ領域に特化した「装(そう)の美」が追求されてきました。今回の独立ブランド化により、優美で華やかな日本の「贅」の美意識をまとったブランドとしてのアイデンティティをさらに際立たせていくことでしょう。
今後は、18Kゴールドやプラチナなどの貴金属や貴石を使用したラインナップの充実を進めるとともに、日本の名工の手による希少性の高い工芸モデルを取り揃える予定となっているとのこと。目の肥えた愛好家の審美眼に応える商品群の登場が期待されます。
今年はさらに、1年を通じてブランドの世界観を体現する「45周年記念モデル」が順次発表されるようなので、新生・クレドールの新作を心待ちにしましょう。
<クレドールの歩み>
1974 年 貴金属を素材とする特選腕時計をセイコークレドールと名付けブランド誕生
1982 年 2億2千万円の宝飾時計を発表 ジュエリーウオッチを展開
1985 年 「リネアクルバ」シリーズ発表 現在の「リネアルクス」にデザインが継承される
1996 年 極薄型メカニカルムーブメント搭載の彫金スケルトンモデル発表
2006 年 スプリングドライブ搭載のコンプリケ-ションウオッチ「ソヌリ」発表
2008 年 磁器ダイヤルの手巻スプリングドライブ搭載モデル「叡智」発表
2011 年 スプリングドライブ搭載の「ミニッツリピーター」発表
2016 年 トゥールビヨン搭載の彫金宝飾時計「FUGAKU」発表