1969年は、NASAが打ち上げた宇宙船アポロ11号が月面着陸に成功した記念すべき年。この偉業から半世紀が経ったいま、NASAオフィシャルウオッチであるオメガのスピードマスターから特別モデルが発表されました。50年前の限定モデルのデザインを受け継ぎながら、最新の素材とムーブメントが投入された、まさにスペシャルな1本となっています。
ただの復刻に終わらない特別仕様が満載のフルゴールドウオッチ
50年前の偉業達成から50周年という節目にオメガが発表したのは、スピードマスター アポロ11号 50周年記念 リミテッドエディションです。
このモデルは、1969年に1014本限定で作られた18KYG製“スピードマスター BA145.022”のデザインを踏襲。オメガ初の限定番号入りだった記念モデルでもあり、同年11月に開催された月面着陸を達成した英雄たちを讃える晩餐会で宇宙飛行士たちに贈呈されたことでも知られています。
最新の限定モデルは、第4世代のスピードマスターの非対称デザインを受け継ぐ42mmケースに、5つのアーチ形リンクからなる往年のデザインが採用されたブレスレットを備えています。
これら外装に加え、ダイアル、インデックスのベゼルと時分針にはオメガが新開発した「ムーンシャイン™ゴールド」を使用。この素材は、イエローゴールドよりも淡い色合いや、色の輝きの経年変化に強いという特徴とのこと。
ベゼルは、特許出願中のバーガンディセラミックのリングをはめ込み、タキメータースケールも独自のセラゴールド™で記しているそう。ちなみに、ムーンシャイン™ゴールドインデックスにはブラックオニキスがセットされています。
この時計に込められた熱い想いはケースバックからでも伝わる
時計を裏返すと、シースルー仕様のケースバックが確認できます。ガラス外縁には、マット仕上げの黒いリングに、“APOLLO 11 – 50th ANNNIVERSARY”、“THE FIRST WATCH WORN ON THE MOON”という文字をポリッシュ仕上げで表記。それらの間には、アポロ11号の打ち上げ場所となったケープ・カナベラルを含むエリアのアメリカ大陸の地図をポリッシュ仕上げで、周囲のブルーオーシャンをマット仕上げで描き出しています。
その向かい側には月を象徴してドーム型の月隕石をセット。これら地球の地図と月隕石が、実際の地球と月と同じ3.67:1の直径比となっているというこだわりぶりです。
ムーンシャイン™ゴールドのケースバックリングには、バーガンディカラーで50周年を示す2つの西暦と、限定番号などが刻まれている点も見逃せません。
極めつけは搭載するムーブメント。本機が搭載するCal.3861は、スイス連邦計量・認定局(METAS)による世界最高水準の精度や耐磁性を誇るマスター クロノメーター認定を受けた新しい手巻きムーブメントとなっているのです。しかもメインプレートやブリッジにもムーンシャイン™ゴールドを使用。オーナーは、その美しく装飾された仕上げとシリコンSi14ヒゲゼンマイを有するコーアクシャル脱進機の動きを思う存分楽しむことができるのです。
これだけ気合の入ったモデルですから、付属するボックスももちろん豪華。1969年のオリジナルモデルに月のクレーターをデザインした特製ボックスが付いていたことに着想を得て、最新作でも新しい「クレーターボックス」が作成されました。グレーセラミック製のパネルは、3D印刷で月面を表現。蓋には月面の“静かの海”とアポロ11号の着陸地点がデザインされています。
まさに特別感満載の1本ですが、製造本数はオリジナルモデルと同じ1041本が用意されるそう。筆者は新技術がふんだんに盛り込まれたフルゴールドウオッチで1000本以上の限定数、税込で400万円代という設定は大奮発と感じました。しかし、世界中にいるオメガコレクターの数を考えると、あっという間に完売することでしょうね。
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