今年のSIHHブースでもメインを飾ったスピットファイアやトップガンなど、IWCらしいタイムピースを披露してくれた同社。これらの新作に込めた思いを、CEOに聞きました。
多彩な新作で証明した素材のスペシャリスト
「今年はスピットファイアとト ップガンから複数のモデルを発表しました。これらの新作に関連して、伝説的な英国製の戦闘機『スピットファイア』で世界を一周するというプロジェクトも進めています。
操縦するのは、英国人パイロットのスティーブ・ ボールトビー・ブルックスと、マット・ジョーンズの二人。経験豊かな彼らが航続距離750㎞のスピットファイアに乗り、約100の区間を経由しながら4万3000㎞もの距離を飛行するのです。その壮大な計画の主役となるのが、ブースに展示しているシルバースピットファイア。約14名の専門家が2年以上にわたってレストア・プロセスに携わり、美しい光沢を生み出すための研磨方法にもこだわっています。この世界一周飛行は、 必ず記録に残ることでしょう」(ヘア氏)
壮大なプロジェクトとともに 発表された新たな「スピットフ ァイア」。これらはシルバーで 統一された戦闘機の姿に着想を得てきた従来機と打って変わり、 グリーンダイアルにブロンズケ ースというコンビネーションが登場。新色のブラックダイアル にもベージュ夜光を施すなど、 大きく印象を変えてきました。
「今年のスピットファイアは、 機体の持つ歴史が重要でした。 新作のヴィンテージルックは、 1940年前後の時代背景を考慮したもの。同じ機体からインスピレーションを得ていることに変わりはありません」
では、スピットファイアと共 に発表されたトップガンの新素材については、どのような経緯で開発されたのでしょうか。
「セラミックもチタンもIWC の得意な素材ですが、それぞれに長所と短所があります。それを補うためにどうすれば良いか をアメリカのラボと共同で研究して出来上がったのが、セラタニウムです。軽く、割れず、傷も付きにくい。コーティングではないので、内部まで黒いのも特徴です。
同じく今年の新素材 としてハードゴールドもあります。従来の18 Kに比べて5〜10倍の硬さを実現し、ビッグ・パイロット・ウォッチの大型ケー スでも傷が付きにくくなっています。それぞれの製法? もちろん秘密です(笑)。ただ、これらの発表でIWCがマテリアルのスペシャリストであることは、 改めて証明できたでしょう」
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