平成時計の覚書「平成元年〜10年」編――G-SHOCKの躍進、A.ランゲ&ゾーネの復活

5月から新元号「令和(れいわ)」がスタート。バブルの崩壊、2度の大震災とオウム事件、インターネットやスマホの普及など、激動の「平成」を名機とともに振り返ります。【平成元年〜10年編】

 

クオーツ危機を乗り越えたスイス時計に資本再編の嵐

わずか7日で終わった昭和 64年に替わり、「平成」が始まりました。 当時の日本経済はバブルの真っ盛りで、同年12月には日経平均株価が3万8915円(終値)の史上最高価格を記録しています。

カシオ G-SHOCK 1万1880円/Ref.DW-5900-1JF
平成を駆け抜けたG-SHOCKは生誕35周年を記念して名機を復刻。G-SHOCKをファッションとして最初に認めた米国西海岸スケーターたちの影響を受け、1990年代に日本で人気を博すきっかけとなった、通称“3つ目”。本機は新たにELバックライトで実用性を高めている

時計界では1969年日本発の凄まじい"クオーツショック" から、スイス時計界が立ち直りかけた時期にあたります。機械式時計は"時間を知る"という実用性だけではない、工芸的な価値を獲得することで、クオーツ危機は乗り越えられると考え、休眠状態にあった老舗ブランドも息を吹き返しました。

また、東西に分裂していたドイツが統合したことで古豪「A.ランゲ&ゾーネ」が 復活し、フランク・ミュラーの天才ぶりに世界の機械式時計ファンが舌を巻きました。

こうして1990年代にかけて本格的な機械式時計界の復興が始まると、巨大資本によるグループ再編が激化。1993年にヴァンドーム グループ(後のリシュモン グループ)が設立さ れ、LVMHの時計界本格参入(1999年)につながってきました。 これらに対し、パテックフィリップやロレックス、ブライトリングなどは、独立企業として独自の戦略を立て始めたのでした。

A.ランゲ&ゾーネ ランゲ1 383万4000円/Ref.191.039
各表示をオフセンターに配して 視認性を追求したダイアルはそのまま、2015年、高精度を長期的に継続する偏心錘付きテンプの新キャリバーに改めた現行モデル。特許取得のアウトサイズデイトは瞬時に切り替わる仕様に

 

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