腕時計に宿命づけられた「防水性」の向上、現代の必須スペック「耐磁性」、さらには楽しみ方の多様化がもたらした「パワーリザーブ」の長期化、さらにうれしい「コスパ」の高まり。平成時計はユーザー重視の進化を遂げています。【高防水、高耐磁編】
購入前にチェックしておきたい「高防水」 と「高耐磁」
平成に生まれた腕時計をつぶ さに観察すると、進化の方向性が見えてきました。まず、「高防水」 と「高耐磁」。どちらも購入前に必ずチェックしておきたい基本スペックで、特に防水性は雨の日も装着するかどうか、普段の使い方に関係してきます。
防水ガスケットの進化によって、ダイバーズだけでなく、近年はドレス系も非防水ではなく、日常生活防水が当たり前になった。一 方、耐磁性はパソコンや携帯電話が普及した平成になって注目されたスペックです。磁気に囲まれて生活している現代人にとっ て、防水性と同様、購入前のチェックは必須でしょう。
3つ目に挙げた「ロングパワーリザーブ」は、時計を複数本持つユーザーが増えたことに理由があります。何本も着けかえるには、パワーリザーブは長い方がいいわけです。また、週休二日制は昭和から普及していましたが、平成になって機械式時計の人気が広まり、週末に外したら月曜朝に針がストップしていた、という事例が急増したとも考えられます。
最後の「高コスパ」が目立ってきたのは、つい最近のこと。 リーマン・ショック後の世界的な金融危機を経験したユーザー たちは、安くて良いものをシビアに見るようになりました。高くて良いのは当然、安くて悪いものには見向きもしない。ある意味で、逆にユーザーが時計ブランドを育てた好例といえるでしょう。