【FASHIONスナップ】Vol.4「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」中里 彩のWatch × Fashion Conscious

第4回目は世界最古の時計ブランド「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」を見ていきましょう。「ヴァシュロン・コンスタンタン」は1755年創業の高級時計メゾンで、創業から260年以上1度も途切れることなく技術と伝統を守り続けてきた歴史があります。また、第2回で取り上げた「パテックフィリップ」「オーデマ・ピゲ」と並び、世界三大高級時計ブランドの1つとして有名ですね。

今回のファッションスナップではこれまでのPittiのスナップとは少し離れて、ミラノと東京のスナップ写真を取り上げます。英国テイストのコーディネート×ヴァシュロン・コンスタンタンを見ていきましょう。

 

 

【ミラノ】ネイビースリーピーススーツ×フィフティーシックス・オートマティック

 

 

こちらの男性の時計は「ヴァシュロン・コンスタンタン」のフィフティーシックスの3針モデル。その名の通り同社の50年代の時計からインスパイアされた、2017年発表のコレクションです。特に若い世代のモダンジェントルマンに向けて発売されたもので、写真のSSモデルであれば120万円から手に入ります。「ヴァシュロン・コンスタンタン」のエントリーモデルですね。トップメゾンの時計がこのプライスとあって、世界中で人気があるようです。薄型のドレスウォッチですが、かしこまったドレススタイルでなくともハマるチャーミングなデザインが、モダンなテイストのエッジを効かせています。

 

 

ネイビーのスリーピーススーツに白のドレスシャツ、内羽根ストレートチップの黒靴というクラシカルな色合わせに、ネイビー×オレンジの花柄ネクタイをアクセントにしたコーディネート。さらにブレスレットを重ね付けすることでイタリアらしさをプラスしていますが、ブレスレットを時計のケースとシルバー色で揃え、黒靴と黒の革ベルトを合わせることで主張を抑えた色合わせになっています。

遠目には無地に見えるグレンチェック柄は日本のビジネスシーンでも使いやすいのでオススメです。また、この方が着ている襟先の短いドレスシャツはイタリア人らしくなくモードのような雰囲気です。ネクタイも幅が狭いナロータイで結び目もコンパクト。このようなVゾーンだと、クラシックなスリーピーススーツもモダンに見えてきますね。トレンドの英国テイストをモダンなミラノ風にアレンジした着こなしといえます。クラシカルな英国テイストは日本のビジネスシーンに取り入れやすいので試してみてくださいね。

ちなみに、一般的なイタリア人が好んで着るのはもっと襟が大きい「ワイドスプレッド」と呼ばれるドレスシャツで、ネクタイはもっと幅が大きいものが多いです。写真くらいの幅のタイであれば、大剣と小剣をズラしボリュームを出して華やかに見せる「小剣ずらし」というネクタイ技をこなす人もいます。

 

 

【東京】アスコットタイ × マルタ・マニュアルワインディング

 

 

 

こちらの男性の時計は「ヴァシュロン・コンスタンタン」のマルタ。1912年から「ヴァシュロン・コンスタンタン」にラインナップされるトノー型ケースを用いたコレクションです。マルタというコレクション名はヴァシュロン・コンスタンタンのシンボル「マルタ十字」に由来しています。懐中時計が主流だったこ時代に常識だった丸型から、より前衛的なデザインを追求して開発されたもの。現在、このマルタには自社製の手巻きムーブメントが搭載され、クラシカルなドレスウォッチとしても位置付けられています。「ヴァシュロン・コンスタンタン」の他のドレスウォッチよりもトノーケースはさらにアバンギャルドな人に似合う点がとても面白いところです。

 

 

 

こちらの写真は、東京でスナップされたもの。東京にもこのような外国人のジェントルマンがいるのですね。先ほどのミラノの方は英国テイストをさりげなく取り入れてましたが、こちらジェントルマンは正真正銘の英国スタイル。首元に巻いているシルクのアスコットタイはまさに英国の典型的なアイテムです。シャツはカジュアルなダンガリー素材ですが、ドレッシーなアスコットタイを合わせることでバランスが取れています。ちなみにパナマ帽は英国ブランドではなく、イタリアのボルサリーノとのことで「英国スタイルなら全身すべて英国!」と頑なにならない柔らかさが好印象です。

クラシックなデザインがお好きというだけあり、時計も車も選び抜かれた名品揃い。クルマは「モーガン(MORGAN)」という今でもイギリスで職人が丁寧に一台一台つくっているめずしい自動車メーカーです。また、時計もクラシックなデザインですが現行商品です。どちらもデザインはヴィンテージ感満載ですが、中身は今の時代の最先端の技術が入っているハイブリッド。古い意匠に新しい魂が宿っている感じ、格好いいですね。

 

 

最先端のトレンドと多様なカラーテクニックを駆使するPittiのファッション業界人から一変して、今回のスナップはずいぶん落ち着いて見えますが、もしかしたら日本のビジネスパーソンにはこちらのほうが実用的かもしれません。今年からトレンドの英国テイストは日本のビジネスシーンに溶け込ませやすいので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

▼ライタープロフィール

中里 彩(Aya Nakazato)

メンズスタイルデザイナー。コラムニスト。日本にて熟練の仕立て職人のもとでテーラリングを学んだ後、エグゼクティブの男性を対象に装いのコンサルティング・スタイリングを行う。WEBメディア「Aya Nakazato Official Medium」では、独自の目線からメンズファッション業界におけるものづくりの魅力やメンズ服の着こなし解説などを発信している。

 

WEBメディア 「Aya Nakazato Official Medium」
https://aya-nakazato.com/

 

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