ノーチラスの変遷――パテック フィリップが生み出した「ジュネーブのオリジン」

いまや10年待っても買えるかどうか、という圧倒的人気を誇る本格スポーツ・ウオッチ 「ノーチラス」。現行モデルでさえ伝説となりつつある、このシリーズの変遷を追いました。

 

新ジャンルを築いた高級スポーツ・ウオッチ

すでに時計界に定着している「ラグジュアリー スポーツ」というジャ ンルは、1972年にル・ブラッシ ュで発表された「ロイヤル オーク」に端を発してます。ですが、これをジャンルとして確立させたのは、紛れもなくジュネーブの筆頭ブランドである パテック フィリップが作り上げた 「ノーチラス」でしょう。

1976年のノーチラス「1stモデル“ジャンボ”」/Ref.3700/1A 左右のヒンジで固定する直径42㎜の2ピースケースや水平エンボスの文字盤、8角形ベゼルなどの特徴を持つ初代。厚さ7.6㎜で120m 防水を実現した

ジェラルド・ジェンタのデザイン を採用し、ステンレススチールにジュネーブ本流の仕上げを施したエレガントなスポーツ・ウオッチは、その歴史のなかで前期と後期に分けられる。前期は裏蓋のない2ピースケース、後期は裏蓋を設けたRef.5711/1A以降の3ピースケースです。後期になって機能が増えたのは、搭載できるキャリバーの選択肢が増えたからに違いありません。

Ref.5711/1A 332万6400円/誕生30周年の節目に発 表された現行モデル。 初代とほぼ同様の“ジ ャンボ”ケースは、スクリューバックを用いた3ピース構造に移行

種類が増えたとはいえ、実はいま ノーチラスを手に入れるのは至難の技。それは、ジュネーブ本流の仕上げを高硬度素材に施すことに時間を要するのはもちろん、購入希望者 が後を絶たないからです。機械式時計の 魅力が見直された平成の時代から現在に至るまで、ジュネーブ・スポー ツ・ウオッチの原点「ノーチラス」は、 愛好家にとって常に憧れの対象なのです。

 

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