腕時計の本場といえばスイスですが、その隣のドイツも非常に質の高い腕時計を手がけるブランドが複数あります。その中で綺羅星のごとく現れたのが、モリッツ・グロスマン。年間生産数わずか300本という超希少モデルを手がける同社が日本の時計ファンのために手がけた限定品をご紹介します。
職人技を詰め込んだ年産300本の製造体制のうちの20本を日本のために!
ドイツの時計製造の中心地は、ドイツ・ザクセン州グラスヒュッテにあります。ここを拠点に時計を作ることは、それだけで高品質の証明であり、世界中の時計愛好家も認めるところです。
この地を拠点とするモリッツ・グロスマンは、2008年に誕生しました。ブランド名は、1826年にドレスデンに生まれた高名なドイツ人時計職人に由来します。
モリッツ・グロスマンの価値は、徹底した手仕事による作業から見出されます。分業制が主流の時計界にあって、同社はムーブメントの自社製造だけでなく、針まで手作りします。これはグラスヒュッテでは唯一、世界でも稀な生産体制。決して安くはありませんが、一度実物を見れば価格も十分納得できるはずです。
そんなモリッツ・グロスマンが日本のために手がけた限定品は、古代エジプト神話の不死鳥の名を持つ「ベヌー」のファーストモデルがベース。アラビア数字インデックスが配された、スモールセコンド付きの三針仕様です。
これに、2016年に発表した「ピュア」コンセプトを組み合わせ、さらにブランド初のブラックダイアルを採用。素材も、通常のピュアで使われる真鍮ではなく、ゴールドモデルと同じソリッドシルバーが用いられています。
手作りされた針もゴールドモデルと同様の、繊細でありながらボリューム感のある形状となっています。ステンレスの針のごく僅かなくぼみにはHyCeram樹脂を充填。ブラックダイアルとのコントラストをつけることで、最高の視認性を確保しています。
ケースを裏返せば、古典的な仕上げが施されたピュア・フィニッシュの自社製キャリバー201.0をシースルーバック越しに眺めることができます。
機械の大半をプレートで覆う手法は、グラスヒュッテの時計製造の伝統手法です。モリッツ・グロスマンでは、洋銀製の3分の2プレートを採用。駆動ゼンマイを巻き上げるために必要な角穴車には3段のサンバースト仕上げ、それと噛み合う丸穴車には鏡面仕上げを施し、限定品ならではの特別感を高めています。
質量ネジ4本と調整ネジ2本を装着した、耐震軸受式の「グロスマン製テンプ」も大きな特徴。緩急調整装置の構造が改良されたため、ビートエラーと歩度はそれぞれ精密調整ネジを介して、調速機を分解することなく調整できるようになっています。
リューズ周りもユニット化された「グロスマン製プッシャー付き手巻き機構」となっています。リューズを引き出すと針合わせファンクションに移行。リューズはバネで自動的に元の位置に戻ります。
針合わせをした後は、リューズ下にあるプッシュボタンを押すとムーブメントが再び動き出します。この機構によりリューズのみの操作で生じる針飛びを抑え、限りなく精確な時刻合わせが可能となるのです。
ハイエンドマニュファクチュールの仕事が頑丈なステンレススチールケースで堪能でき、さらに購入できるのは日本のみ。誰もが持てないからこそ欲しくなる、そんな逸品です。
モリッツ・グロスマン
ベヌー・ピュア・ジャパンリミテッド
180万円(税抜)
日本限定20本
2016年11月発売予定
【SPEC】
ムーブメント:手巻き(Cal.201.0)
素材:ステンレススチールケース、アリゲーターストラップ
サイズ:直径41mm、厚さ11.35mm
モリッツ・グロスマン http://www.grossmann-uhren.com/moritz-grossmann-in-japan/
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