時計ブランドの肖像「IWC」――この場所でしか作り得ないタイムピース(前編)

近年、IWCは次世代型の高性能な自社製ムーブメントの発表を連発しています。その躍進の原動力を探るべく、創業150周年を機に新たに開設されたシャフハウゼン郊外の拠点を訪ねました。

スイス時計界で異彩を放つ孤高のウオッチメーカー

古くから時計に精通している人の多くは、IWCが「インターナショナル・ウオッチ・カンパニー」の略称であることを知っていることでしょう。スイス時計界でも強い個性を放つ同社を創業したのが、アメリカ人時計師のF.A.ジョーンズでした。当時、アメリカで導入が始まっていた工業化による大量生産方式をスイス時計の生産にも生かそうと考え、彼は遠く海を渡ってきたのです。

ジョーンズはライン川の豊富な水流に着目しました。水力発電を行い、強力な電力を事業に活用しようと模索したのです。そこでこの条件に適する土地として、ドイツ国境沿いの街であるシャフハウゼンが選ばれました。彼の狙い通り、アメリカ流の工業化とスイス流の実直な製造技術を融合した結果、高機能な時計が創出され、シャフハウゼンは今日に至る時計産業が盛んな街へと生まれ変わったのでした。

創業から約150年。生みの親の理念や哲学を重んじるIWCは、変わらずシャフハウゼンに本社を構えています。そんな150周年事業の一 環として設立した「マヌファクトゥール・ツェントルム」も、この街の郊外にあります。こうした“故郷”へのこだわりは、同社が掲げる「プローブス・ス カフージア」(=シャフハウゼンの優秀なクラフツマンシップ)というスローガンそのものといえるでしょう。すなわち、IWCのタイムピースはこの地でしか作り得ないのです。

 

キーワード1:SCHAFFHAUSEN[シャウフハウゼン]

1868年にF.A.ジョーンズがIWCを創業した地、それがシャフハウゼンです。ドイツ国境沿いの街で、すぐ近くに欧州随一の水量を誇るライン川が流れています。この豊富な資源を生かした水力エネルギーをベースに、近代的な発電設備などを導入し、当時の先進的な時計産業を構築しました。

「マヌファクトゥール・ツェントルム」。創業150周年事業の一環として2018年8月に設立され、すでにフル稼働中

 

キーワード2:KURT KLAUS[クルト・クラウス]

現代IWCの欠かせない人物が、「ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー」や「ポルトギーゼ・グランド・コンプリケーション」などの開発で知られるクルト・クラウス氏です。80歳を過ぎた今もなお、後進の育成にあたるなど、同社の精神的支柱として活躍しています。

クルト・クラウス氏が設計したダ・ヴィンチ パーペチュアルカレンダー(1985年発表)は、2499年までのカレンダー表示を見据えた革新の一本

 

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問:IWC TEL.0120-05-1868
https://www.iwc.com/ja/home.html

 

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