就職やプレゼント、自分へのご褒美……腕時計の購入タイミングは人それぞれ。ましてや初めての1本となると、どのブランドを選べばいいのか悩むものですよね。そこで、“失敗しない一生モノ選び”のノウハウをご提案! すでにお気に入りの1本がある人も、ぜひ参考にしてみてください。
誇れる逸話や伝説が購入後の満足感を継続させる
10年ほど前から時計業界では、ブランドが自社アーカイブを振り返り、歴史的モデルを復刻する流れが活発化。店頭にもクラシカルな顔立ちの時計が非常に多くなっています。
流行を問わない伝統的な意匠は、まさしく一生モノにふさわしいと言えます。そこからさらに踏み込んでモデルを選ぶのであれば、「語りどころ」に目を向けるべきでしょう。なぜかというと、良いブランドには語るべき逸話や伝説が多くあり、それが名門たるステイタスに直結しているからです。
もちろん、長く使うためには素材や品質のチェックも欠かせません。例えば、風防はプラスチックでなく、サファイアクリスタル製かなど。現代の時計技術を投入しているかを確認できれば万全です。
上記の2つのポイントを踏まえたうえで、さっそくあなたの一生モノになりえるクラシカルモデルをご紹介しましょう。これらの時計なら、購入後も飽きることなく愛用し続けられます。
モンブラン ヘリテイジ クロノメトリー オートマティック
伝説的な工房として知られるミネルバから継承した文字盤デザインを採用する3針ウオッチ。ホワイトの文字盤と随所に配した18Kレッドゴールドの調合が、時計の高級感を一層アップさせています。
ここが語りどころ!【ミネルバ】
2007年からモンブランが傘下に収める老舗の時計工房・ミネルバは、1856年創業の名門。五輪や各国軍隊の公式時計に採用された輝かしい歴史を有する他、ギネスブックにも収録されています。写真は現在のミネルバ本社。
ハミルトン ベンチュラ
H24655331は、1957年に誕生したモデルの現行版。非対称の三角形ケースはベンチュラの最大の特徴です。文字盤をよく見るとメッシュになっており、中のムーブメントが確認可能。ケース裏はシースルーバックになっています。80時間パワーリザーブを誇る自動巻きCal.H-10の搭載も魅力です。
ここが語りどころ!【ベンチュラ】
ロサンゼルス郊外の街の名をモデル名にしたベンチュラは、1957年に世界初の電池式時計として誕生しました。デザインを手がけたのはリチャード・アービブ氏。独創的なフォルムはクルマから着想を得たものです。世界中に多くのファンを持つハミルトンですが、1961年には映画『ブルーハワイ』でエルヴィス・プレスリーがベンチュラを着用し、その後も私物として愛用。以降、ハミルトンが数多くのハリウッド映画でも見かけるようになるきっかけとなりました。
フレデリック・コンスタント クラシック カレ ハートビート&デイト オートマチック
精緻な機械式時計のテンプと同社が考案したオリジナルのスケルトンデイトを、小窓から鑑賞できるドレスウオッチ。縦47㎜×横30.7㎜の角型ケースで、クラシカルでトラディショナルなデザインが特徴的です。
ここが語りどころ!【スケルトン】
1994年にクオーツとの違いをひと目でわかるようにデザインしたハートビートを開発。地板を加工しながら強度も確保した小窓は、現在のスケルトン人気の先駆けとなりました。
ユンハンス マイスター パイロット
1955年に製造されたドイツ連邦国防軍クロノグラフの復刻版。アビエーションウオッチらしい反射を抑えた黒文字盤には2つ目のインダイヤルを配置しており、コックピットの古典機器からの着想が見て取れます。ケースにはドーム型サファイアクリスタルを採用し、アワーマーカーと時分針にはスーパールミノバを施しているので夜間の視認性も抜群。ベゼル部分は、指がかかりやすいようにデザインされた、ノッチ型の回転ベゼルを使用しています。
ここが語りどころ!【ユンハンス】
ドイツ屈指の時計ブランドとして名を馳せるユンハンスは、世界で初めて電波時計を開発したことでも有名です。1957年には世界中に影響を与えたドイツの造形学校「バウハウス」最後の巨匠と謳われたマックス・ビルにウォール・クロックの製作を依頼。その製品は、後に米MoMAの永久所蔵品となるほど高い評価を得ました。
ブランドの歴史や腕時計が誕生した背景を知ると、ますます愛着が湧きそうですよね。次回は、ビジネスメインの一生モノをご紹介していきます。