ミッシェル・エルブランは創業から70年間、フランス・シャルクモン発のブランドであることにこだわるファミリーカンパニー。世界的にも稀有なこの独立ブランドは、どのようなビジネスを行っているのか、WNが本社を訪れました。
この地で生きる人のために時計会社を創業していく
ミッシェル・エルブランは現代では数少なくなった、どのブランドグループにも属さない独立企業。70年間変わらずファミリーカンパニーであり続ける理由は非常にシンプルで、〝シャルクモンの人々が生きていくため〞であると、3代目社長のピエール・ミッシェル・エルブラン氏は言います。
しかし、ブランドの発展なくしては70年もの間衰退することなく操業するなど到底不可能。なぜ彼らはそれを成し得たのでしょうか。それは、トレンドを追うのでも利益を追求するのでもなく、ひたすらに本質的なエレガンスを追い求めてきたから。ひと昔前に流行した〝デカ厚〞時計や、素材開発に熱を上げて他社との差別化や高級化を図ることを同社は良しとしないのです。
フランスを軸に生産8万本
伝統と効率を合わせ持つ独立系
ミッシェル・エルブランは独立系ですが、マニュファクチュールを標榜してはいません。これは、一般の人の手が届く価格で高品質な時計をプロデュースするためだと、社員は口を揃えます。今日において、スイスメイドのムーブを用いた自動巻き時計が10万円台からラインナップされるのは、その信念に偽りがない証拠。最低でも2、3のサプライヤーをパーツごとに比較し、自分たちの理想とする品質を目指しているのです。マーケティングルームには、数十年分の文字盤やブレスレットなどが保管されていました。
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時計のパーツは、内製することで技術力の高さと品質を示す場合が多いですが、ミッシェル・エルブランの場合はそれを〝見る目〞を養うことに特化しても品質を保つことができた好例。こうして選定されたパーツを社内で日に200〜300本、多い時期には600本ほどもアッセンブルします。これだけ量産をしながら、工程ごとに防水や姿勢差のテストもきっちりこなすのです。2針では1日、クロノグラフで2日間にわたり3ポジションでの時差が計測されていました。
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後編ではメインのアッセンブルフロアや、同社伝統の設計図などを公開。1947年の創業から独自路線をゆくミッシェル・エルブランのフランス流が詰まった時計制作に迫ります。
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