現行モデルの大半にクロノグラフを搭載し、パイロットウオッチをフラッグシップコレクションとするブライトリングは、時計界でも稀有な存在。これほどブライトリングが航空時計とクロノグラフにこだわる理由は、ブランドが歩んできた歴史にあります。130年に及ぶその歴史を、全4回にわたってお伝えしていきます。第2回は、航空時計の名作「ナビタイマー」の誕生です。
Part.1創業時のクロノグラフ開発についてはコチラ
ブライトリング、いざ空へ
現代クロノグラフの礎を築いたブライトリングは、航空時計の分野でも頭角を現し始めます。1936年には、英国空軍公式サプライヤーとなり、1942年には米軍への製品供給もスタートしています。
製品開発においては、いまも“永遠のクラシック”として人気を博す航空時計の名作「ナビタイマー」を、1952年に発表しました。
![↑1952年に発表されたナビタイマーの初号機。12時位置には、ブランドではなくAOPAのロゴが記される。基本形状は変わらず、現在まで継承されている](https://watchnavi.getnavi.jp/wps/wp-content/uploads/2017/08/e6c01e3cdadb660127c429530f71690d.jpg)
“身に着ける計器”ナビタイマーの衝撃
コックピットの計器が発展途上にあるなかで、飛行距離や速度、燃油残量など、様々なフライトの算出に用いる航空用回転計算尺はパイロットに欠かせないものでした。
これを腕時計と一体化させるというのは、現在のブライトリングが標榜する「身に着ける計器」を体現したかのようなアイデアです。
かくして航空用回転計算尺を備えた世界初のクロノグラフ「ナビタイマー」は、パイロットから愛されるクロノグラフとして名を馳せ、世界最大のパイロット協会AOPA(Aircraft Owners and Pilots Association)の公式時計にも選ばれることとなります。
![↑自社Cal.01を搭載した現行モデル「ナビタイマー 01」は、1952年からの伝統をいまに伝える一本。92万8800円/Ref.A022B01KBA/SSケース/カーフストラップ/直径43mm、厚さ14.25mm/3気圧防水](https://watchnavi.getnavi.jp/wps/wp-content/uploads/2017/08/5d8c99c5c04d5d7d5f469aeaa0becdfd.jpg)
1950〜60年代に誕生した名機たち
1950年代〜60年代、ブライトリングは、「スーパーオーシャン」「トランスオーシャン」「クロノライナー」など、現行コレクションのデザインソースにもなった名作を世に送り出しています。
そのうちのひとつ「コスモノート」は、1962年に宇宙飛行士のスコット・カーペンターが地球3周に成功するという偉業を成し遂げた際に、着用されていたという記録も。
この時代で、すでにブライトリングの空への挑戦は宇宙にまで到達していたのです。
第3回はナビタイマーと並びブライトリングの2大モデルである、「クロノマット」の登場です。
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