スイスを中心に、ドイツやイタリア、アメリカ、日本と世界に名だたる時計ブランドは数百社存在します。そのなかでも人気・実力とも評価の高いブランドを、新モデルとともに紹介。今回は、腕時計入門者ならば押さえておきたい“世界3大腕時計”の名門ブランドをピックアップします。
ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)
18世紀ギャビノチェ精神を現代に継承する屈指の名門
知識人でもあった18世紀の時計師・キャビノチェの伝統を受け継ぎ、250年以上前から途切れることなく時計を作り続けてきた老舗のブランド。1812年には鐘の音で時刻を知らせる「15分単位のりピーター」、1935年には超絶モデル「グランド・コンプリケーション」と、数々の歴史的な複雑時計を発表してきました。
コレクションは独自性豊かな格調高いラグジュアリー系が中心。世界各国のセレブにもファンは多く、圧巻の技術力と芸術的な造形美で注目を集めています。
NEW MODEL
同社が5年かけて開発した超コンプリケーション。時計の表と裏に2つの文字盤を装備して、常用時・太陽時・恒星時という3種類を表示するなど、トゥールビヨンを含めて23の機能を備えています。6つの香箱を搭載しており、驚異的な3週間ものパワーリザーブを確保。
オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)
「奇跡の手」と呼ばれる技術力と世界最高レベルの開発力
世界初の「ミニッツリピーター」(1892年)や、ソネリや永久カレンダーを搭載した「グランドコンプリカシオン」(1899年)など、“奇跡の手”と称されるスイス時計界の重鎮。1875年の創業地に、複雑時計専門のアトリエを置いています。
超複雑時計で別格的な地位を築くいっぽうで、1972年には金無垢が当然だったラグジュアリー時計界にステンレススチールケースの高級スポーツウオッチという新境地を拓いた「ロイヤル オーク」など、近年は幅広いコレクションを展開しています。
NEW MODEL
ケースとブレスレットの複雑な造形は硬質なブラックセラミックを使用。型抜きではなく切削加工で職人が手作業で丁寧に仕上げています。ロイヤル オークの特徴的なヘアライン仕上げまで施した漆黒の外装は見事。6時位置では、アベンチュリン上にレーザーで加工した緻密な月が浮かび上がります。
パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)
「世界最高の時計」を目指し時計を芸術の域に高めた
創業当初からリューズ巻き上げ式時計(1844年)、ミニッツリピーター(1845年)、パーペチュアルカレンダー(1889年)など、複雑時計の第一人者として実績を残してきた超名門マニュファクチュール。素材まで妥協なく吟味した審美性の高さと、最高峰の機構を搭載した時計製作は世界に高く評価されています。
定番人気ラインはドレス系の「カラトラバ」(1932年)、スポーツ・エレガンス「ノーチラス」(1976年)、「年次カレンダー」(1996年)などが有名です。
NEW MODEL
1997年に発表されたアクアノートの誕生20周年を記念し、シリーズ最大の42.2㎜径というジャンボサイズを発表。ブラック・グラデーションのブルー文字盤がカジュアル・シックでストラップも同色で統一されています。シースルーバックからは自社製の自動巻きキャリバーの精緻な仕上げも楽しめます。
創業時から逸品を創出し続け、腕時計界のレジェンドとして君臨する3大ブランド。機構や造形、クオリティで独自の境地を構築し、高級時計の名にふさわしいタイムピースの数々は腕時計ファンにとって永遠の憧れです。