オリスが新自社ムーブメントを搭載するダイバーズを堂々リリース。高機能にして価格を抑えた渾身の作がスイス時計界を激震させる

近年、革新的な技術で存在感を増している「オリス(ORIS)」が、自社製の驚異的な自動巻きムーブメントを発表した。ベース性能を大幅に高めながら、極めて現実的なプライスのモデルへの採用が決定している。これぞオリスの真骨頂といえる渾身の新自社キャリバーは、まずは同社を代表するダイバーズウオッチ「アクイスデイト」に搭載され、ついに11月デビューした。

オリス新時代の幕開けを告げる傑作が堂々完成

オリスは創業110周年を迎えた2014年、実に35年ぶりとなる自社製「キャリバー110」を発表した。このムーブメントは、シングルバレルの手巻き式で10日間パワーリザーブを実現。残量表示に特許機構を組み込んでもいた。以降もキャリバー110をベースに発展させ、直近ではスケルトナイズされた「キャリバー115」が登場している。

オリス自社製の「キャリバー110」は、10日間ものパワーリザーブを誇る高性能な手巻きムーブメントである

 

新型のオーバーホール推奨期間はなんと10年!

一方でオリスの技術者が開発を続けてきたのが、自動巻きの新型となる「キャリバー400」である。現代社会に求められる基本性能を高次元で満たす本機は、耐磁性能を高めるのはもちろん、自動巻き上げの構造を低摩擦かつ高効率で機能する「スライドベアリング」へと置換。輪列に新しい形の歯車を導入して駆動効率を上げると同時に、主ゼンマイのトルクを減らして各部にかかる負荷を低減させている。結果、ツインバレルで駆動するキャリバーは、最長5日間も安定して駆動する。

なによりもオリスの開発陣のみなぎる自信を象徴するのが、10年周期というオーバーホール推奨期間。保証期間も業界最長クラスの10年となっており、長期使用でも安心感は格別だ

 

【新開発の自社キャリバー徹底解剖】

POINT 1. ツインバレルコンセプト

既存の自社製手巻きキャリバーが10日間巻きの大型シングルバレルだったのに対し、新型ではツインバレルを採用。ギアの歯の形状から見直された高効率でのトルク伝達システムとともに、最長5日間の安定動作を実現する。

 

POINT 2. シリコンエスケープメント

大敵である磁気からの解放を目指し、アンクルとガンギ車にシリコンを採用。さらにテン輪やアンクルの軸など30以上の部品に非鉄、非磁性金属を使い、多くの他社品と比べて90%以上も磁気の影響を受けにくくした。

 

POINT 3. スライドベアリング式自動巻き

自動巻きローターの軸受には、摩耗が激しく故障の原因にもなりやすいボールベアリングではなく、新開発の「スライドベアリング」を採用。回転力を確実に伝える構造で、片方向巻き上げでも高効率でエネルギーを蓄える。

 

よりパワフルになった「アクイスデイト」

驚くべきは、これほどの先進技術を駆使した新型の自社ムーブメントを300m防水を誇る「アクイス」に搭載し、なおかつ40万円以下に抑えた点といえる。その並々ならぬ自信は、購入時にMy Orisに登録すれば、10年間の保証が受けられるという、盤石のサービスが物語っている。この新作は、疑いの余地なく“買い”である。

オリス「アクイスデイト キャリバー400」Ref.400 7763 4135-07 8 24 09PEB 37万4000円/自動巻き(自社製Cal.400)、毎時2万8800振動、120時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径43.5mm。300m防水。2021年1月入荷予定

ブルーグラデーションのダイアルとブルーのセラミックトップベゼルを備えた本格ダイバーズウオッチ。300m防水ながらシースルーバック仕様になっており、新型キャリバー400の構造が堪能できる。ラバーストラップ仕様(36万3000円)もラインナップ。

サイドビューは従来機とほぼ同じ。重心を下げることで装着時の安定性を高めている

 

ユニークなインターチェンジャブルシステムを初採用


エンドピースに仕込まれた蝶つがいによってフラップが開閉し、ブレスレットは工具不要で簡単に開閉できる。海水を浴びた後でも細かく洗浄でき、ラバーストラップへの換装も簡単だ。

 

問い合わせ先:オリスジャパン TEL.03-6260-6876
https://www.oris.ch/jp

TAG

人気のタグ