“スイス時計の良心”と称えられるブランド「オリス(ORIS)」が、またもや自社ムーブメントモデルを発表した。今回も120時間駆動・高耐磁・10年保証の三拍子を備えたハイスペック仕様で、まずは世界限定2000本の希少なブロンズケースモデルに搭載しての登場となった。
ブロンズのレトロな雰囲気とスモールセコンドが好マッチ
2020年11月にリリースされたオリス自社製造のキャリバー400を搭載する「アクイス デイト キャリバー400」は、“ユーザーに長く使ってもらうこと”をコンセプトに据えた作り込みがなされており、多くの評論家や小誌・ウオッチナビも高く評価している。実際、オリス銀座ブティックには連日のように問い合わせが寄せられているとのことだ。
そのインパクトの余韻が残るなか、先日発表されたのが新作「カール・ブラシア キャリバー401 リミテッド エディション」である。こちらも自社で新たに開発したという、自動巻きの「キャリバー401」が搭載されている。同ムーブメントは高性能なキャリバー400をベースにした作りで、中3針式ではなく時分針+スモールセコンドの新スタイルとなっている。
この最新自社ムーブメントの登場にあたり、初搭載はカール・ブラシア財団とのコラボレーションモデル第3弾での採用が実現した。
1948年にアメリカ海軍に入隊したカール・ブラシアは、ミッション中の事故による左足下部切断や時代を背景にした人種差別などの苦難を乗り越え、1970年にアフリカ系アメリカ人として初のUSネイビーマスターダイバーになった偉人である。ハリウッド映画『ザ・ダイバー』(2000年公開)のモチーフとなった彼の勇敢さを後世に伝えるカール・ブラシア財団は、非営利団体として退役軍人病院に数千ドルを寄付しており、軍人の社会復帰をサポートする活動を行っている。オリスは同団体と2015年にパートナーシップを結び、現在も支援しているのだ。
カール・ブラシア限定はこれまでに2モデルが製作されており、どちらもブロンズケースであるのが特徴である。これは彼が軍のダイバーとして活躍していた頃のヘルメットの素材をヒントにしたもの。ユーザーの使い方によって個々に変化が現れるブロンズは、アニバーサリーウオッチにぴったりなマテリアルといえる。今回の第3弾も前例を踏襲し、経年によって独特の仕上がりが楽しめるブロンズケースが選ばれた。
現代のニーズに合わせた理想的な自動巻きムーブメント
そしてこのブロンズケースに収められているのが、新開発の「キャリバー401」だ。新自社キャリバーシリーズでアピールしている高耐磁性、5日間パワーリザーブ、10年保証の3メリットを押さえており、機能性は申し分ない。それらについては改めて下記にまとめた。また、肝心の精度についてもCOSC認定クロノメーター級の日差-3~+5秒以内で設定されており、この価格帯としては最高レベルにある。
【耐磁性】30以上のパーツが磁気の影響を受けにくい素材で、耐磁時計の基準ISO764の規定を上回るスペックを実現。 【5日間パワーリザーブ】主ゼンマイや輪列、巻き上げ効率などを工夫し、最大で5日間(120時間)ものパワーリザーブを確保している。 【10年保証】自動巻きローターと巻き上げ機構を改良して不具合を低減。マイオリスの登録によって保証期間が10年間へと伸びる。 |
そしてこのキャリバー401は、オリスの潜水時計のルーツといえる「ダイバーズ 65」のレトロなスタイルにぴったりなスモールセコンド表示である点も見逃せない。スモセコはUSネイビーの伝統カラーをヒントにしたブルーダイアルの6時位置にレイアウト。その小針を含む3針とインデックスには、ヴィンテージウオッチに散見される焼けたような色合いのスーパールミノバ蓄光が塗布されている。これらのこだわりのディテールによって、全体的にレトロチックな雰囲気にまとめられている。
問い合わせ先:オリスジャパン TEL.03-6260-6876 https://www.oris.ch/jp
Text/WATCHNAVI編集部
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