筆記具にはじまり、バッグやレザーグッズなど様々なアイテムを展開し、世界的な知名度を誇るモンブランは、実は腕時計の新作見本市ジュネーブサロン(SIHH)に出展するなど、時計界でも確固たる地位を築いています。間もなく2018年のSIHHがはじまる時期ですが、本開催を前に、モンブランが4本のクロノグラフを発表してきました。
クロノグラフ発展の歴史を反映した「スター レガシー」
最初に取り上げるのは、装いも新たに登場となった「モンブラン スター レガシー コレクション」のクロノグラフ2作。1858年に創立した名門メーカー、ミネルバの遺産にインスピレーションを受けてリニューアルされた定番「スター」の新世代機です。

「モンブラン スター レガシー コレクション」は、誕生20周年を迎えた「スター」のドレスウオッチラインとしての特徴を残しながら、ミネルバが遺したスイス時計製造の伝統とデザインの洗練を追求するべく生み出されました。

「モンブラン スター レガシー ニコラ・リューセック クロノグラフ」は、2008年に発表されて以来、モンブランウオッチコレクションのアイコンだったモノプッシャー クロノグラフを採用。フランス宮廷の時計師ニコラ・リューセックが1821年に開発したクロノグラフへのオマージュを捧げた名デザインが、最新モデルのためにブラッシュアップされています。
文字盤は、シルバーホワイトダイアルを採用。従来はフラットだったオフセンターのアワーサークルとチタニウム製のクロノグラフ回転ディスクは、ドーム型で立体的な作りとなっています。

「モンブラン スター レガシー オートマティック クロノグラフ」は、伝統的な高級時計製造のノウハウと、ミネルバの歴史が融合した実用モデル。シルバーに近いホワイトダイアルとリーフ型のブルー針、ブラックのアラビア数字など、調和のとれたデザインに仕上がっています。独特の陰影を持つレザーストラップは、先のニコラ・リューセックと同じく、フィレンツェにあるモンブランレザーアイテムの自社工房「プレテリア」で開発されたもの。本機では、高級感あふれるスフマートレザーが使われています。
前年にリニューアルしたタイムウォーカーからも2本のクロノグラフが加入
ストップウオッチブランドとしても名を馳せていたミネルバの歴史を反映して2017年にリニューアルされた「タイムウォーカー」からも、スター レガシーと同じく2作のクロノグラフが公開となりました。
ミネルバは、デジタルウオッチ普及以前に、スポーツ、医学、映画、テレビ等の時間計測がつきものの分野のプロフェッショナルから絶大な信頼を集めていたブランドでもあります。その中でもとりわけ支持が厚かったのがモータースポーツの世界で、特にラリーでの刑事においては、数々の世界的なレースで採用されていました。
こうした伝統を継承して世代交代を果たした現代のタイムウォーカーは、往年の栄光を反映したレーシングウオッチへと変貌。最新型も、古き良き時代を感じさせるデザインに、最新の仕様を加えた味わい深いものとなっています。

「モンブラン タイムウォーカー マニュファクチュール クロノグラフ」は、新たなクロノグラフ機構を備えた、アイコニックな3カウンターの「パンダ」ダイアルが最大の特徴。ホワイトダイアルの中にブラックのカウンターを配したフェイスは、クラシックなレーシングカーのダッシュボードを彷彿とさせます。
固定ベゼルにハイテクブラックセラミックを、大型設計リューズにブラックDLCコーティングを採用するなど、最新技術を導入して時計の持つレーシングスピリッツをより印象的なものにしています。

「モンブラン クロノグラフ ラリータイマー リミテッド エディション 100」は、前年に限定発表されたモデルの再発版。1960年代のミネルバ製ラリータイマー ストップウオッチに着想を得ながら、自社製造のモノプッシャー クロノグラフを備えた直径50mmのビッグウオッチです。
この時計は、ケース裏のストラップ脱着装置を使って簡単にストラップが取り外せ、ストップウオッチへと変型します。さらに、ケース裏の2本のアームを使えば、自動車のダッシュボードにも固定できるようになるのです。
裏蓋には、自動車のグリルをかたどった開閉式のカバーがあり、これを開けると自社製の手巻きモノプッシャー クロノグラフCal.MB16.29を見ることができます。ちなみにこのムーブメントは、1930年にミネルバが手がけた伝説的なCal.17.29をベースに開発されたもの。ストラップはもちろん「プレテリア」オリジナルとなっています。
本開催を前に新コレクションを披露してしまうところに、2018年SIHHへの意気込みが感じられます。果たしてジュネーブの会場では、事前発表の新作を超える話題作が発表されるのか。要注目です。
モンブラン公式サイト http://www.montblanc.com/
- TAG