月夜に舞う「桜吹雪」の風情を螺鈿細工で文字盤に表現––クレドール最新作は120本限定の芸術作

セイコーウオッチから展開されている高級ウオッチブランドのクレドールは、日本人の感性と精緻を極めた技術によって豊かな個性を持つシリーズとして1974年に誕生しました。そんな国産ハイエンドブランドが、「桜吹雪」をモチーフにした限定品を発表しました。本機に込められた匠の技の数々を、詳しく見てみましょう。

 

技巧を凝らした漆芸ダイアルモデルの第2弾

最新作は、老舗漆器メーカーの山田平安堂とのコラボレーションによって2016年3月に第1弾が発表された漆芸ダイアルモデルの2作目となります。

↑クレドール「シグノ スプリングドライブ螺鈿限定モデル」108万円/Ref.GCLP989。手巻きCal.7R87。ステンレススチールケース。直径38mm、厚さ9.7mm。クロコダイルストラップ。120本限定。2018年3月9日発売予定
↑クレドール「シグノ スプリングドライブ螺鈿限定モデル」108万円/Ref.GCLP989。手巻きCal.7R87。ステンレススチールケース。直径38mm、厚さ9.7mm。クロコダイルストラップ。120本限定。2018年3月9日発売予定

見どころは、何と言っても文字盤。ダイアルを横断する桜吹雪は螺鈿と蒔絵を織り交ぜて表現。ひらひらと花びらが舞う様子を螺鈿細工の白蝶貝で、その背景にプラチナ蒔絵を散らし入れることで絶妙なコントラストを生み出し、味わい深く仕上げています。

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ちなみに螺鈿細工とは、切り出した板状の貝片を漆で地板に接着し、上から漆を塗ったのち、貝片が見えるまで余分な漆を研ぎ出す装飾技法のこと。日本では、奈良時代より用いられている伝統工芸技法です。

本機では、熟練の職人が貝の向き、大きさ、色合いなどのすべてを計算して緻密に配置。もちろん1点1点、手作業で仕上げられています。

12時、3時、6時、9時のアワーマークには、白蝶貝の螺鈿細工を、そのほかのアワーマークにはプラチナ蒔絵を用いることで、審美性を高めるとともに視認性も向上させています。

文字盤の上部には、パワーリザーブ表示を配置。これを三日月に見立てることで、春の月夜の情景を華やかに表現しています。

 

このように古典技法で文字盤が作られるのとは対照的に、ムーブメントはセイコー独自の駆動機構「スプリングドライブ」Cal.7R87を搭載。ゼンマイのほどける力を動力にしながら、ICと水晶振動子で制御する先進的なものとなっています。

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職人が作り上げた美しい文字盤の裏を返すと、入念に組み立てられ、仕上げられた手巻きムーブメントの姿が楽しめるクレドール「シグノ スプリングドライブ螺鈿限定モデル」は、まさに「美と芸術」「伝統と革新」が融合した一本。108万円という価格は美術工芸品と考えても非常に魅力的で、120本の限定数も瞬く間に完売するでしょう。

 

クレドール公式サイト https://www.credor.com

セイコーウオッチ公式サイト https://www.seiko-watch.co.jp

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