パルミジャーニ・フルリエは、時計師であり修復師である創業者ミシェル・パルミジャーニの名を冠し、1996年にスイスのヴァル・ド・トラヴェールのフルリエで誕生した高級時計メゾンです。これまでいくつもの類稀なるタイムピースを生み出してきた同社から、スケルトン加工を施した新しいキャリバーPF707搭載モデルが登場しました。価格は240万円(税抜)です。
フラッグシップモデルの細部をあらわにした芸術的な一本
トンダ 1950は、パルミジャーニ・フルリエのフラッグシップシリーズです。最大の特徴は、超薄型ムーブメントの搭載。最新作のトンダ 1950 スケルトンが搭載するキャリバーPF707も、マイクロローター採用の自動巻きで厚さがわずか2.6mmとなっています。
この薄さを実現するため、ムーブメントの構成パーツも当然微細なものばかり。それらに鑑賞にたえる仕上げを施すことは、それ自体が複雑機構を組み込むのと同レベルの困難さを極めます。それは、パルミジャーニ・フルリエのような高級マニュファクチュールであればあるほどハイレベルになっていきます。
キャリバーPF707は、時計を機能させるための最小限の要素を残して徹底的にスケルトン加工が施されています。それによってあらわになるのは、正確に時を刻み続ける歯車や脱進・調速機の動き。主ゼンマイの巻き具合さえ明らかになっています。
裏はもちろん、表からも確認できるマイクロローターにはバーリコーンモチーフのエングレービングや特徴的なラグ形状をパターン化した図柄が確認できます。
こうした設計を際立たせるのが、地板とブリッジに施された18か所の面取り処理。美しい輝きによってスケルトン加工されたムーブメントのディテールひとつひとつが引き立つようになっているのです。
ムーブメントが見渡せる文字盤はサファイア製。外周にはミニッツマーカーとインデックスがセットされたローズゴールド製のメタルフランジをセット。外装は、人間工学に基づいたデザインで、直径40mmのケースにはアイコニックな4本のしずく型ラグが備えられています。このラグの形状が手首のカーブにフィットするのです。フォールディングバックルは5段階の調整が可能で、レザーを留める穴の位置を変えることなく、ミリ単位でストラップの長さを変えることができます。
スケルトンウオッチは近年の高級時計のトレンドですが、極めて上品なパルミジャーニ・フルリエの世界観で作られると、シンプルな2針ウオッチもここまで見応えのある時計になるのです。ゆったりと動く針が示す時の流れに身を任せながら、じっくり鑑賞したくなる。そんな芸術的なタイムピースとなっています。
パルミジャーニ・フルリエ https://www.parmigiani.com