チタン製でも各所にゴールドの気品が漂う【ブランパン】のラグジュアリーダイバーズウオッチは実のところ、とってもバリュー・フォー・マネー!?

1735年にスイスのヴィルレにて創業し、現存するウオッチブランドとしては世界最古の存在である【ブランパン(BLANCPAIN)】。美しく、実用的な時計を数々輩出してきたこの老舗メゾンのシンボルのひとつが、ダイバーズウオッチ「フィフティ ファゾムス」だ。300m防水を基本とする本格派でありながら、いかにもなスポーツルックに留まらない魅力を秘めており、注目度が高まっている。人気を集めている理由を“バチスカーフ”の最新作から解き明かす。

ブランパンに新たな可能性をもたらすひと際コンテンポラリーなコレクション

 

「フィフティ ファゾムス」は、当時のブランドCEOで自身もダイバーだったジャン-ジャック・フィスターが、フランス海軍から要請を受けて開発したものだ。1953年に誕生したオリジナルは、リューズ、ケースバック、回転ベゼルの構造で特許を取得。欧米各国の特殊潜水部隊の検査基準を唯一クリアすると、主に実戦仕様の軍用品としていくつもの伝説的なモデルが生み出されてきた。

フィフティ ファゾムス バチスカーフは、そんな本流から派生したカジュアルユースメインのモデルとして1956年にデビュー。防水性をはじめとする本格性能を直径37mmに留めた小径設計は、技術集団ブランパンに新たな可能性をもたらした。

1956年に誕生したフィフティ ファゾムス バチスカーフ。フラットベゼルにシャープなラグ、スクエア針などの意匠は最新作に至る現世代モデルが継承している

いまも多くのダイバーズウオッチの規範となっているフィフティ ファゾムスは、2007年より現在のスタイルに定着。その成功を受けてバチスカーフも2013年にコンテンポラリーなデザインをまとって完全復活を遂げることとなる。定番に返り咲いた勝因。それは由緒正しき歴史と信頼性、極めて高いスペック、そして現世代でより明確に打ち出されたラグジュアリー化だろう。

 

フィフティ ファゾムス バチスカーフは知れば知るほどバリュアブル

現存する世界最古ブランドの奥ゆかしさゆえ、ブランパンは控えめなところがある。もし新作「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」を見かけたなら、以下の部分はぜひともご注目を。きっと価格以上の価値を感じるはずだ。

キャリバー1315にセットされる自動巻き上げローターは、18Kホワイトゴールド製。これにプラチナ合金を用いるNAC表面処理を施し、独特のグレー色に仕上げている。この素材の記載はローター表面にわずかにレリーフで控えめに記すのみ。

 

高級ムーブメント会社のフレデリック・ピゲを前身とする「ブランパン・マニュファクチュール」製キャリバー1315のローターを外した状態。トリプルバレル、フリースプラングテンプの採用で抜群の長期安定性を誇る

 

搭載する自社製キャリバー1315は、トリプルバレルで120時間駆動。等時性に優れたシリコンひげゼンマイの搭載は、同時に耐磁性能を高めることにもつながった。ゆえに、初期フィフティ ファゾムスの特徴であったインナーケースによる耐磁構造が不要となり、私たちは美しいムーブメントの仕上げを鑑賞することができるようにもなった。しかもローターは、18Kホワイトゴールドを採用。300m防水ダイバーズとしては、極めて贅沢な素材使いもまた、現代フィフティファゾムスの大きな魅力。比べるものがないほどに、バリュー・フォー・マネーなのだ。

ブランパン「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」
Ref.5000-1210-NAGA 125万4000円

ダイアルに縦の筋目模様を施した新デザイン採用のダイバーズ。グレーNATOストラップ仕様が、時計の持つコンテンポラリーな特徴を強調する。チタンケースによる快適な装着感も魅力のひとつだ。5日間パワーリザーブを有する信頼性抜群の自社製造ムーブメントを搭載。

スペック:自動巻き(自社製Cal.1315)、毎時2万8800振動、120時間パワーリザーブ。チタンケース(シースルーバック)、NATOストラップ。直径43mm(厚さ13.45mm)。30気圧防水。

 

問い合わせ先:ブランパン ブティック 銀座 TEL.03-6254-7233 https://www.blancpain.com/ja

Text/水藤大輔(本誌) Photo/山口雅則

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