本格的なダイバーズスペックを有するラグジュアリーウオッチとして、高級時計界で唯一無二の存在感を示す「フィフティ ファゾムス」。このコレクションに2007年から展開されているトゥールビヨン搭載モデルに、グレード23チタニウムとレッドゴールドのバリエーションが追加された。価格はチタニウムが1265万円〜、レッドゴールドが1436万6000円〜。
他者とは異なるラグジュアリーウオッチを求める人々へ
トゥールビヨンは通常、クラシックウオッチに付加される複雑機構である。その理由は製造はもとより普段からの取り扱いにも繊細さが求められるため。通常使用では問題なくとも、決してスポーツ前提で搭載されるものではない。だが、ブランパンはこの難問にチャレンジし、2007年にそれを達成。300m防水を誇るコンプリケーション「フィフティ ファゾムス トゥールビヨン 8デイズ」の発表は、後に他社で発表されるスポーティなトゥールビヨンウオッチの嚆矢となった。
以来、10年以上にわたって同コレクションの中でも最高峰であり続けてきた複雑時計に、新しくグレード23のチタニウムケースと、18Kレッドゴールドという2種類のケースが仲間入りした。価格は圧巻の1000万円オーバーで、もちろん誰もが手に入れることができるモデルではない。恐らくは製造本数も絞られており、限定でなくても希少性は極めて高いといえるだろう。
耳慣れないグレード23のチタニウムというのは、グレード5(64チタン)をベースにさらに純度を高めたバージョンで、より優れた強度、軽量性、耐食性などの特性を持つ素材である。そのため、直径45mm、厚さ14.8mmという大振りな見た目に反して時計本体は非常に軽快。腕に着ければ、時計本体の重量と設計、ストラップとのフィッティングのおかげでストレスを感じるほどの重さは感じないだろう。一方のレッドゴールドケースは、18K貴金属だけあって重厚で、価格と重さを比例させて考える人にはこちらも選択肢に上がるだろう。
2007年発表モデルでは6時位置に添えられていたパワーリザーブ表示が、最新モデルでなくなっている点も興味深い。パワーリザーブ表示は極めて実用的ではあるものの、主張させすぎると野暮ったくなりがち。本機を見てもわかるように、フライングトゥールビヨンが際立つブルーダイアルは、アイコニックなサファイアクリスタルベゼルや夜光を効かせた針&インデックスとあいまってコンテンポラリーな雰囲気を醸し出している。
多くの人にとって明らかな高嶺の花であるからこそ、手の届く人から見れば他者と差をつけることのできる絶好の一本である。世界最古級ブランドが手がけた世界初の本格ダイバーズウオッチにして300m防水を誇るダイバーズトゥールビヨン。ぜひ一度、店頭で観てみたいものだ。
問い合わせ先:ブランパン ブティック銀座 Tel.03-6254-7233
https://www.blancpain.com/
TEXT/Daisuke Suito(WATCHNAVI)
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